パワハラ疑惑の「アベンジャーズ」監督が反論 ガル・ギャドットの告発は“勘違い” と主張
2022年1月27日 21:00
パワハラ疑惑で一線から退いているジョス・ウェドン監督(「アベンジャーズ」「ジャスティス・リーグ」)が、騒動が持ち上がってから約1年半を経て、米New York Magazine Vultureのインタビューで初めて反論した。
ウェドンは、DC映画「ジャスティス・リーグ」(2017)を家族の不幸で途中降板したザック・スナイダー監督のあとを次いで監督に就任した。作品は公開されたものの、その後の2020年7月、サイボーグ役のレイ・フィッシャーが撮影現場でウェドンからパワハラを受けたと自身のTwitterを通して告発。この告発ツイートに、スナイダー監督をはじめとする一部のクルーが「いいね」を押して支持を表明した。
ワンダーウーマン役のガル・ギャドットも21年5月、「ジョスとの関係は、基本的に彼が私のキャリアを脅しているといえるものでした。もし私が何かしたら、私のキャリアを惨めなものにすると言われました」と脅迫されたことを明かしている。
ウェドンは今回、ギャドットを脅したという疑惑に対し「人を脅したりなんかしない。誰がそんなことをするんだ?」といい、「英語は彼女の母国語ではないし、私はうっとうしいほど大げさな話し方をする傾向があるからね」とギャドットの勘違いだと述べた。さらに、冗談交じりに「このシーンを消したければ、私を線路に縛り付けて、その死体の上でやるしかない」と言ったのが、「私が彼女の死体がうんぬんとか、線路に縛り付けるようなことを言ったと言われたんだ」と弁明した。なお、ギャドットはこのウェドンの言い分には同意しておらず、Vultureに対し「私は完全に理解していました」とメールで証言している。
一方、フィッシャーに関しては、当初スナイダー監督はDC映画初の黒人スーパーヒーローであるフィッシャー演じるサイボーグを中心に据え、フィッシャーを脚本のパートナーとして扱い、映画の黒人表現についての意見を求めていた。しかし、フィッシャーが言うには、ウェドンが監督に就任するとサイボーグの役割を縮小し、黒人に対するステレオタイプに挑戦するシーンをカットしたという。フィッシャーが電話で修正について懸念を表明すると、ウェドンは「俺に助言しようとしているのか? 俺は誰からの助言も受け付けない。たとえロバート・ダウニー・Jr.のものであってもな」と切り捨てられたという。
そしてウェドンは、サイボーグのシーンを削ったのは「物語が論理的に意味をなさない」ことと、「演技が悪いと感じた」ことの2つの理由からだと主張。フィッシャーの告発は悪意からであり、「(演技と人格の)両方の意味で、ダメな役者ということだ」と言い放った。
また、ウェドンの出世作であるテレビドラマ「バフィー 恋する十字架」でコーデリア・チェイス役を演じたカリスマ・カーペンターは、ウェドンに冷たくあしらわれ、妊娠したときには「デブ」と呼ばれたと証言。共演者のサラ・ミシェル・ゲラーやデビッド・ボレアナズ、エリザ・ドゥシュクはカーペンターを支援すると発言している。ウェドンはこれに対し、カーペンターに対して無愛想であったことは認めたものの、「デブ」と呼んだことは否定している。
さらに、Vultureは、「バフィー 恋する十字架」の衣装デザイナーに暴行をふるった疑惑や、ウェドンが共同制作総指揮を務めた「Marvel エージェント・オブ・シールド」のアシスタントを務めていた23歳の女性と愛人関係になり、口止め料として2500ドルを支払っており、ウェドンが「もっと上手に対応しておくべきだった」と発言したことを明らかにしている。
ウェドンとしては、今回のインタビューで身の潔白を訴えカムバックを狙っていたようだが、かえって墓穴を掘る結果となったようだ。