過酷な労働環境と低賃金――ファストファッションの縫製工場で働く女性が立ち上がるドラマ「メイド・イン・バングラデシュ」
2022年1月20日 15:00
世界の大手アパレルブランドを支えるバングラデシュの首都ダッカの縫製工場。過酷な現場で働き、家族を養う女性たちが環境を改善すべく立ち上がる姿を描く「メイド・イン・バングラデシュ」が、4月16日から岩波ホールほかで全国公開される。
大手アパレルブランドの工場が集まるダッカ。裁縫工場の労働者の80%が女性で平均年齢は25歳。とある工場で働くシムは、厳しい労働環境にあえぐ同僚たちと労働組合を結成すべく立ち上がる。工場幹部からの脅し、夫や仲間の反対に遭いながら労働法を学び奮闘する。
監督はバングラデシュ独立戦争下で敵兵と恋に落ちた女性を描いた「Meherjaan」(11)、タゴールの詩を背景に葛藤する女性を描いた「Under Construction」(15)が各国の映画祭で高く評価された、バングラデシュの気鋭ルバイヤット・ホセイン。本作が日本初公開作となる。3年以上のリサーチを経て、10代半ばからバングラデシュの労働闘争に関わってきたダリヤ・アクター・ドリの実話を基に完成させたヒューマンドラマ。陰影のある美しい映像は、マノエル・ド・オリベイラ監督の「アンジェリカの微笑み」などで知られるサビーヌ・ランスラン。