本国イランで上映中止、衝撃の冤罪サスペンス 「白い牛のバラッド」予告公開
2022年1月7日 14:00
第71回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に出品された「白い牛のバラッド」の予告とメインビジュアルが披露された。死刑執行数世界2位の国イランの懲罰的な法制度を背景に、シングルマザーの生きづらさ、理不尽に立ち向かう女性の姿を描き出す。
愛する夫を死刑で失い、ろうあの娘を育てながら必死で生活するシングルマザーのミナ(マリヤム・モガッダム)。1年後に突然、夫の無実が明かされ深い悲しみに襲われる。賠償金よりも判事に謝罪を求める彼女の前に、夫の友人を名乗る男レザ(アリレザ・サニファル)が現れる。ミナは親切な彼に心を開き、3人は家族のように親密な関係を育んでいくが、2人を結びつける“ある秘密”には気づいていなかった。
マリヤム・モガッダムとベタシュ・サナイハが監督を務め、第71回ベルリン国際映画祭金熊賞と観客賞にノミネート、批評家からはアスガー・ファルハディ監督やモハマド・ラスロフ監督に並ぶ才能と賞賛された。イランでは2020年2月のファジル国際映画祭で3回上映された以降、政府の検閲により劇場公開の許可が下りず、2年近く上映されていない。
30秒予告は、ミナの前にレザが現れるシーンから始まる。レザに心を開いていくミナだったが、続くシーンでは水浸しの部屋に佇むレザが映し出され、不穏な空気に一変する。あわせて披露されたメインビジュアルは、「男はなぜ、私の前に現れたのか」というコピーとともに、頬を伝う涙が印象的なミナの横顔が切り取られている。
「白い牛のバラッド」は2月18日から、TOHOシネマズ シャンテほか全国公開。