内野聖陽、紫綬褒章は「エイプリルフールかと」 西島秀俊が祝福「恋人役として嬉しい」
2021年11月3日 14:22
俳優の内野聖陽が11月3日、都内で行われた「劇場版 きのう何食べた?」の初日舞台挨拶に出席。秋の褒賞で紫綬褒章を受章した内野は「すごくびっくりしちゃいまして。エイプリルフールかと思ったんですけど、秋だったのでどうやら本当なんだなと思いました」と、改めて喜びを語った。
内野は「こういった国の褒章は、僕みたいなテレビに出たり映画に出たり演劇をやったり、そういう役者にはいただけないと思っていました」と打ち明け、「僕はひとつの役を徹底的に掘り下げるのが変態的に好きな人間なので、掘り下げて皆さんに提示するものを評価してもらえたのなら、やってきた甲斐があったと思いました。(受章の理由に)力強い役から繊細な役までと書いていただいたのですが、繊細な役はこのこと(本作でのケンジ役)なんじゃないかと思います」と感謝した。
本作で内野の恋人役を演じ、隣でニコニコ嬉しそうに拍手で祝福していた西島秀俊は「恋人役としてすごく嬉しいです」と笑顔。「(受章時の)コメントを読ませていただいたのですが、内野さんらしい素晴らしい言葉で。ドラマのシーズン1が終わった時、内野さんが『もっとやれるよね』っておっしゃっていて、もっと深く繊細に演じようってことを終わった直後に確認していたんです。それを思い出して、常に内野さんは俳優としての理想を求め続けているんだなって思いました」と、エピソードを交えながら称えると、内野は「そんな難しいこと考えてないです」と照れ笑いしていた。
本作は、よしながふみ氏の人気漫画を映像化した人気ドラマの劇場版。2LDKのアパートで同居する、料理上手で几帳面な倹約家の弁護士・筧史朗(通称シロさん/西島)と、その恋人で人当たりの良い美容師・矢吹賢二(通称ケンジ/内野)の毎日の食卓を通して、ほろ苦くもあたたかい日々が描かれる。11月3日に全国299館で公開を迎えた。
舞台挨拶には、山本耕史、磯村勇斗、中江和仁監督も登壇し、チャンカワイがMCを担当。恋人役を演じた俳優同士、お互いが知っている秘密のエピソードを披露することになり、西島は内野が役作りのため徹底的に日焼けしないようにしていたことを明かし、「顔が見えないから、あの人誰なんだろうってスタジオで有名になっていましたよ」と暴露。内野は、スイーツ好きの西島が紫綬褒章のお祝いのプレゼントを渡しに来た際に、口にドーナツを食べた痕跡があったことを話し、笑いを誘った。
山本は「(磯村の)生まれた時間を知っています。9月11日の朝6時17分です」と、事前に入手していた情報を自慢げに発表。磯村は山本について「着替えているところを見たのですが、胸筋がすごかったんです。雪見だいふくかなってくらい」と驚いたことを告白した。
最後に、「ドラマのシーズン2やりたいです」と話していた西島は、連続ドラマ、スペシャルドラマが終わった後にキャラクターに会えない寂しさを感じていたことを明かし、「映画の台本を読んで、2人がちゃんと生きているって変わらないのがすごく嬉しくて。皆さんに応援していただいて、こうやってまた2人に会える喜びが大きくて、感動したことを覚えています」と振り返る。
さらに、「撮影がいろいろあって大変だったのですが、全然そんなこと関係なく毎日楽しくて、幸せに撮影していました。ようやく完成して皆さんにお届けできて嬉しいです。シロさんの料理のように、愛情たっぷりの映画です。毎日のご飯のように、何度もこの映画を鑑賞しに来てください」と呼びかけ、作品への愛情が込められた挨拶に、観客から長い拍手が送られた。
フォトギャラリー
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
関連コンテンツをチェック
シネマ映画.comで今すぐ見る
父親と2人で過ごした夏休みを、20年後、その時の父親と同じ年齢になった娘の視点からつづり、当時は知らなかった父親の新たな一面を見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。 11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラムとともにトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、2人は親密な時間を過ごす。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらてゆく。 テレビドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが愛情深くも繊細な父親カラムを演じ、第95回アカデミー主演男優賞にノミネート。ソフィ役はオーディションで選ばれた新人フランキー・コリオ。監督・脚本はこれが長編デビューとなる、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。
「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。
ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。
奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。
内容のあまりの過激さに世界各国で上映の際に多くのシーンがカット、ないしは上映そのものが禁止されるなど物議をかもしたセルビア製ゴアスリラー。元ポルノ男優のミロシュは、怪しげな大作ポルノ映画への出演を依頼され、高額なギャラにひかれて話を引き受ける。ある豪邸につれていかれ、そこに現れたビクミルと名乗る謎の男から「大金持ちのクライアントの嗜好を満たす芸術的なポルノ映画が撮りたい」と諭されたミロシュは、具体的な内容の説明も聞かぬうちに契約書にサインしてしまうが……。日本では2012年にノーカット版で劇場公開。2022年には4Kデジタルリマスター化&無修正の「4Kリマスター完全版」で公開。※本作品はHD画質での配信となります。予め、ご了承くださいませ。