「アーティストだし、天才」「信じられないくらい優しい」――「DUNE デューン」キャストが語るドゥニ・ビルヌーブ
2021年10月9日 08:00
「ブレードランナー2049」「メッセージ」で知られるドゥニ・ビルヌーブ監督がメガホンをとった「DUNE デューン 砂の惑星」が、10月15日から公開される。映像化が極めて困難だといわれた原作を映画化したビルヌーブ監督の魅力について、砂漠での過酷な撮影をはじめ、苦楽を共にしたキャストのコメントから紐解いていく。
本作は、かつてデビッド・リンチ監督によって映画化もされたSF小説を新たに映画化。砂に覆われた惑星“デューン”を舞台に、“未来が視える”能力を持つ青年ポール・アトレイデス(シャラメ)の運命、宇宙世界の混迷を描く。
主人公ポールの父であり、アトレイデス家の当主であるレト・アトレイデス公爵を演じたオスカー・アイザックは「ドゥニのように、壮大で奥深く、芸術性が高く詩的で美しい大作映画を作る人はほかにはいない」と語る。アトレイデス家の宿敵、ウラディミール・ハルコンネン男爵を演じたステラン・スカルスガルドも「彼は常に独特の世界感を作り出すとても興味深い映画監督だ。彼の撮る映像は信じられないほど美しく強烈で、観る者に不思議な圧力を課し、世界に引き込んでいく。この映画の素晴らしさはそこにある。独自の創造性をもつ監督が作った本当に彼らしい映画なんだ」と、ビルヌーブ監督独自の創造性について証言している。
本作は、莫大な製作費がかけられたハリウッド超大作らしいエンタメ性と、ビルヌーブ監督が持つ世界観や作家性を両立させている。
主演を務めたシャラメは、「大作でありながら、インディペンデント映画の精神のある作品に出演できるなんて、なんて幸運なのだろうと思った。それはドゥニのおかげなんだ。彼はアーティストだし、天才だね」と尊敬の念を示し、「彼はこの類いの映画をほかの作品と差別化しつつ撮影する技術的な方法を理解している。それは『ブレードランナー 2049』でも『メッセージ』でも明確だった。彼は心のどこかで、このような題材の作品とつながっているんだろうね」と語る。
アトレイデス家の腹心であるガーニイ・ハレックを演じたジョシュ・ブローリンは、「ドゥニは自分が求めるものをとてもよく理解している。また脚本に書いてあるからといって、全てを映画に入れる必要はないと考えている。そんなドゥニが監督をしていることに、安心感を覚える。ほかの監督と比べて彼が得意とするのは、規模感を捉えることだ。そのおかげで、手に負えない状況が起きたり、構想とは違う映画になったりするのを防ぐことができる」と振り返る。
「私にとって彼は神のような存在だよ」と個人的にもファンであることを公言した、ダンカン・アイダホ役のジェイソン・モモアも「彼にはとても明確なビジョンがあったし、自分が望むこともはっきりと把握していた。私は監督を満足させられるように頑張ったし、この映画が作り出す世界の一部になりたいと強く思っていたんだ」と揺るがないビジョンと的確で明瞭な指示に感銘を受けた模様。作品の規模に合わせて最適な取捨選択ができる手腕こそが、ビルヌーブ監督の作品のクオリティーの高さへつながっていることを明かした。
ポールの母親レディ・ジェシカを演じたレベッカ・ファーガソンは「ドゥニはまさに達人だった。彼は寛大な心をもって、非常に特別感のあるセットを作り出してくれた。セットでは全員が完全に平等だという感覚があり、彼は一緒に作っていくという最高の連帯感を作り出してくれたわ」と撮影現場でのビルヌーブ監督の立ち回り方を称賛。
また、主人公ポールの夢に出てくる謎の美女チャニを演じたゼンデイヤは「信じられないくらい優しい人なの。照明や風、背景やセットに登場人物など、たくさんのことを考えなければならないし、常に無数の質問を投げかけられているけど、すべてのことに対して大きな優しさと辛抱強さをもって冷静かつ真摯に対処していたわ」と、スタッフへの向き合い方が印象的だったと明かす。撮影技術だけでなく、ビルヌーブ監督自身の人間性がキャスト、スタッフを一丸にし、本作の高いクオリティーを実現させた。
「DUNE デューン 砂の惑星」は10月15日から公開。
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