終戦から74年間悪夢を語り続ける、106歳のホロコースト生存者のドキュメンタリー「ユダヤ人の私」11月20日公開
2021年8月21日 10:00
アウシュビッツを含む4つの強制収容所に収容された、現在106歳のホロコースト生存者のひとり、マルコ・ファインゴルトの証言を記録した「ユダヤ人の私」が11月20日に岩波ホールほかで全国公開される。本作品の公開に合わせ、2018年に大ヒットを記録した前作「ゲッベルスと私」のアンコール上映も決定した。
本作品はゲッベルスの秘書ブルンヒルデ・ポムゼルの証言を記録した「ゲッベルスと私」の“ホロコースト証言シリーズ”(オーストリア・ブラックボックス社)第2弾。本シリーズは世界的に戦争体験者が高齢化し、社会から消えゆく中、人類史上最大の悪であるホロコーストの記憶を被害者のみならず、加害者、賛同者、反逆者の視点からも捉え、多角的に戦争の真実を記録するシリーズ。
ユダヤ人のマルコ・ファインゴルトは 1939年に逮捕され、アウシュビッツを含む4つの強制収容所に収容される。終戦後は、10万人以上のユダヤ人難民をパレスチナへ逃がし、自らの体験とナチスの罪、そしてナチスに加担した自国オーストリアの責任を、70年以上訴え続けた。本作はファインゴルトの数奇な人生を通じ、反ユダヤ主義がどのように広まりホロコーストに繋がったかを、世界初公開のアーカイブ映像を交えながら紐解いてゆく。“国家と人は過去の過ちを忘れている”と語るファインゴルトは、過去と地続きにある現在に警鐘を鳴らす。
なお、すでに撮り終えている本シリーズ第3弾はアウシュビッツで人体実験を繰り返したヨーゼフ・メンゲレ医師に関係した元少年・囚人の証言ドキュメントだ。