【「ワイルド・スピード ジェットブレイク」評論】キャラクター全員の個性が輝く! シリーズ完結に向けた作り手の強い意志を感じる
2021年8月9日 15:00

「ワイスピ」が終わる気だ! シリーズが始まって20年、今回の9作目が最終章三部作の一本目であることはすでに発表されている。複数あるスピンオフ企画を脇に置けば、泣いても笑ってもあと3本。しかし、ただドミニク・トレットと仲間たちの物語が終わるという以上に、今回の「JET BREAK」は完結に向けた作り手の強い意志を感じるのだ。
今回の趣向はズバリ「ドミニクに弟がいた!」(予告編でも明かされた「ハンが生きていた!」の方がファンには重要だと思うが、海外のSNSでも湧いた#JusticeForHanについては今後の展開を待つしかない、というのが筆者の見解です)。WWEレスラーのジョン・シナが弟ジェイコブ役に選ばれたので、ついロック様不在の穴埋めか?と思ってしまうが、若い頃にさかのぼり、ドミニクたちの父親の死にまつわる家族の葛藤のドラマはちゃんと一作目の設定を膨らませており、取ってつけた感じではない。
映画自体、これまで明かされなかった若い頃から始まるので(丁寧に冒頭のユニバーサルのロゴもフィルム仕様)、シリーズに親しんでいなかった人でも入りやすいのではないか。あとは、なんか世界を守ってくれる元犯罪者の仲良し集団がいる、ということだけ知っておけば、大きく戸惑うこともないだろう。
「ああ、ワイスピだ!」と嬉しく思うのは、どれだけ荒唐無稽でデタラメであろうとも、キャラクターに愛情を注ぎ、輝かせることに注力していること。「ワイスピ」は5作目の「MEGA MAX」以降、キャストの有名無名に関わらず不思議なオールスター感を醸すことに成功しているのだが、今回はさらに一歩進んだ感がある。
というのも、脇キャラ枠にいたローマンとテズに、これほどまでにバカげていてなおかつ最高に感動的な見せ場を与えた回があっただろうか? さらにハッカー設定に縛られていたラムジーのキャラも膨らませ、類型的で面白味に欠けていたシャーリーズ・セロンのサイファーは、今回シリーズで最も魅力的な悪役に化けた。おそらく制作陣は、この最終章三部作でキャラクター全員のポテンシャルをどこまで広げられるかに挑んでいるのではないか。
それもまたシリーズ完結を見据えた結果だとしたら、一抹の寂しさを覚えなくはないが、まだあと数年はお祭りが続くので、ここは思い切り楽しんでおきたい。そしてヴィン・ディーゼル、早くロック様と手打ちにして、ホブス捜査官を呼び戻してくださいね。
関連ニュース






映画.com注目特集をチェック

ドンケツ
【超暴力的・超過激・コンプラ全無視】地上波絶対無理! 狂キャラたちが常軌を逸した大暴れ!
提供:DMM TV

マインクラフト ザ・ムービー
【予想の5倍面白かった!!】この映画で人生がレベルアップする…GW、家族で観るならコレで決まり!
提供:ワーナー・ブラザース映画

サメ!ゾンビ!ガメラ!
【狂った名作・怪作が無料大量放送】ドキドキ!パニック映画祭! ありがとう“GWの夜”が決まった
提供:BS12

なんだこの面白そうな映画は!?!?
【強烈に面白そうな6つの魅力】予告だけで「めちゃくちゃ良さそう」が湧き上がる…観なければ!
提供:ディズニー

最愛の妻が、殺された…
【衝撃】殺しの経験ゼロ、しかし“最高の頭脳を持つ男”の復讐が始まる…
提供:ディズニー

ここでしか観られない“激レア映画”を特集放送
【“観たい”にこたえる極上体験】映画・ドラマを愛するすべての人に!(提供:BS10 スターチャンネル)