スレブレニツァの虐殺の全貌描く「アイダよ、何処へ?」予告編公開
2021年6月26日 09:00
第2次世界大戦後の欧州で最悪の大量虐殺事件の全貌と、そのなかで家族を守ろうとした女性の運命を描く「アイダよ、何処へ?」の予告編が公開された。
本作は、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争末期に約8000人のイスラム教徒が殺害された大量虐殺事件「スレブレニツァの虐殺」の全貌と、そのなかで家族を守ろうとしたひとりの女性アイダの姿を描いたヒューマンドラマ。事件から25年目の節目である2020年に製作された。第77回ベネチア国際映画祭のコンペティション部門出品。第93回米アカデミー国際長編映画賞にノミネートされた。
国連平和維持軍の通訳として働く女性を主人公に、家族を守るため奔走する彼女の姿を通して、事件当時に何が起こっていたのか、虐殺事件の真相を描き出す。95年、夏。ボスニア・ヘルツェゴビナの町、スレブレニツァがセルビア人勢力によって占拠され、2万5000人に及ぶ町の住人たちが保護を求めて国連基地に集まってくる。一方、国連平和維持軍で通訳として働くアイダは、交渉のなかである重要な情報を得る。セルビア人勢力の動きがエスカレートし、基地までも占拠しようとするなか、アイダは逃げてきた人々や、夫や息子たちを守ろうとするが……。
メガホンをとったのは、31歳で発表した長編デビュー作「サラエボの花」で第56回ベルリン国際映画祭の金熊賞を受賞したヤスミラ・ジュバニッチ監督。その後も「サラエボ、希望の街角」など、一貫して故郷ボスニア・ヘルツェゴビナの悲劇、1992~95年のボスニア・ヘルツェゴビナ紛争の傷跡を描き続けてきた。
このほど公開された予告編は、市民が国連保護軍の施設に殺到する様子から始まる。アイダが家族を守ろうと必死で奔走する一方で、国連施設のすぐ近くでボスニア人男性たちの処刑の始まりを目撃する様子が収められている。
「アイダよ、何処へ?」は、9月17日からBunkamura ル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国で順次公開。