「ミザリー」へのオマージュも 「RUN ラン」にちりばめられた“遊び心”
2021年6月23日 16:00

「search サーチ」のアニーシュ・チャガンティ監督と製作チームが再タッグを組んだサイコスリラー「RUN ラン」(公開中)。「search サーチ」ではPC画面上に伏線やトリビアが隠されていたが、本作でもありとあらゆるところにチャガンティ監督の遊び心が盛り込まれている。
郊外の一軒家で暮らすクロエは、生まれつきの慢性の病気により、車椅子生活を余儀なくされていた。前向きで好奇心旺盛な彼女は地元の大学への進学を望み、自立しようとしていたが、自分の体調や食事を管理し、進学の夢も後押ししてくれている母親ダイアンに不信感を抱き始める。そして、クロエの懸命な調査により、ダイアンが新しい薬と称して差し出す緑色のカプセルが、けっして人間が服用してはならない薬であるということが判明する。
※以下で「RUN ラン」のトリビアを紹介します。内容に触れている箇所がありますので、未見の方はご注意ください。
クロエが進学を希望しているこの大学は、ワシントン州シアトルに実在する名門の州立大学。映画の序盤には、クロエが同大学の公式ホームページを閲覧するシーンで、そのページ内の“引っ越しに関するヒント”のコーナーに掲載されている写真の女の子は、「search サーチ」で“fish_n_chips”というハンドルネームの女性を演じていた女優である。

クロエが飲まされている薬を調べるため電話番号案内「411」に電話をすると、「お調べする州名と都市名を言ってください。例えば“メイン州デリー”のように」と自動音声が流れる。“メイン州デリー”はベストセラー作家のスティーブン・キングが創造した架空の田舎町。彼の小説「IT イット」「不眠症」などの舞台になった。さらにこの時、クロエがランダムに電話をかけて薬の詳細を調べてもらう男性は、「グランド・ブダペスト・ホテル」のトニー・レボロリが演じている。
クロエとダイアンが訪れた映画館で上映中の作品。その題名の意味である“脱出”が、クロエのその後の運命を予感させている。架空の映画「Breakout」のポスターには「search サーチ」の主演俳優ジョン・チョーが協力している。

映画館を抜け出したクロエが薬局に駆け込むシーンで、彼女に応対する薬剤師の名前は“ミセス・ベイツ”。のちにダイアンが電話をかけるシーンで、その女性のファーストネームは“キャシー”だと判明する。キャシー・ベイツはスティーブン・キングが原作の映画「ミザリー」の主演女優であり、同作品へのささやかなオマージュになっている。

ダイアンが自宅でシャワーを浴びるシーン。このとき彼女の背中に、いくつもの惨たらしい傷痕があることが判明する。劇中では削除されたが、ダイアンは幼少期に母親から虐待を受けていた過去を持つ。監督はダイアンの幼少時代や、母、祖母の人生まで遡ったバックストーリーを書き記し、ダイアン役のサラ・ポールソンと共有していた。キャラクター作りに重要な役割を果たしていたという裏話も。
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