狂おしくも切ない初恋に溺れた“あの夏”の記憶 「Summer of 85」眩しく美しい場面写真9点
2021年5月20日 19:00

フランソワ・オゾン監督が、少年たちのみずみずしい刹那の恋を描く「Summer of 85」の場面写真9点がお披露目された。狂おしくも切ない初恋に溺れた“あの夏”の記憶が切り取られている。
「2重螺旋の恋人」「グレース・オブ・ゴッド 告発の時」のオゾン監督が、17歳で出会い感銘を受けた、英作家エイダン・チェンバーズの1982年の青春小説「Dance on My Grave」(「おれの墓で踊れ」/徳間書店刊)を映画化。運命的に出会ったふたりの少年、愛と永遠の別れを知るまでの6週間を、16ミリフィルム撮影による鮮やかな映像と、80年代の楽曲にのせて描く。第73回カンヌ国際映画祭でオフィシャルセレクションである「カンヌレーベル」作品に選出された。

物語の舞台は1985年の夏、北フランスの海辺の町。セーリングのため、ヨットで沖に出た16歳のアレックスは、突然の嵐に見舞われ、18歳のダヴィドに救助される。アレックスにとって、自然体で自信に満ち溢れるダヴィドは、眩しいほど魅力的だった。急速に惹かれ合い、恋愛感情で結ばれるふたり。しかし、幸せな日々も長くは続かず、「ほんの一瞬も離れたくない」と願うアレックスのなかでは、ダヴィドを愛すれば愛するほどに、“満たされない気持ち”が湧き上がる。そんなアレックスを待ち受けていたのは、不慮の事故によるダヴィドとの突然の別れだった。
場面写真には、眩暈がするほどのときめきに満ちた恋の瞬間の数々を活写。颯爽とバイクで風を切るダヴィドの肩にちょこんと顎を乗せ、初恋の喜びを噛みしめるように頬を寄せるアレックス、夕日を眺めながらのバックハグや、クラブやジェットコースター、セーリングを楽しむデートシーンなど、ティーンエイジャーならではの無邪気さと親密な空気が漂っている。

オゾン監督は映画化にあたり、「青春映画の約束事に沿って撮影することが、私にとって重要だった。少年ふたりの恋愛に皮肉なんか一切加えず、古典的な手法で撮って、世界共通のラブストーリーにした」と振り返る。原作に魅了された当時の感情を投影しながら、誰しもに訪れる初恋の衝動を、圧巻の映像美と巧みな演出で鮮やかに映し出した。「大事なのはふたりの信頼関係を見せること、僕が10代の頃に感じたことを表現することだからね」と語っている。
オゾン監督に「リバー・フェニックスの再来」と言わしめた新鋭フェリックス・ルフェーブルが、人生を揺るがすほどの初恋に喜びもだえ苦しむ純真な少年アレックスを体現。同じくオゾン監督にオーディションで見出されバンジャマン・ボワザンが、アレックスを虜にする魅力と野心に満ちた少年ダヴィドに扮した。
「Summer of 85」は、8月20日から東京の新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamura ル・シネマ、グランドシネマサンシャイン 池袋ほか全国で順次公開。
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