北朝鮮強制収容所の実態描く「トゥルーノース」がアニメの理由 監督「怖がらせることが狙いではない」
2021年5月19日 21:00

北朝鮮強制収容所の実態を描く長編アニメーション「トゥルーノース」の記者会見が5月18日、東京・外国特派員協会で行われ、監督・脚本・プロデューサーを務めた清水ハン栄治が登壇。アニメーションという手法を選んだ理由や、本作に込めた思いを語った。
清水監督が収容体験をもつ脱北者に取材し、10年の歳月をかけて完成させた。強制収容所の過酷な環境で生きていく家族と、その仲間たちを描く。
(C)2020 sumimaseこの日は、国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」の日本代表である土井香苗氏、北朝鮮人権問題の国際化に寄与するジャーナリストであり「NO FENCE」(北朝鮮の強制収容所をなくすアクションの会)副代表を務める宋允復 (ソン ユンボク)氏も登壇した。
清水監督は、アニメーションを選んだ理由について「実写やドキュメンタリーで撮るという選択肢はありましたが、描く内容の過酷さ残忍さを考えると、これを実写で作ってしまうと“ホラー映画”になってしまうのではないか、という懸念がありました」と説明。
(C)2020 sumimase続けて、「この作品を撮ろうと思った一番の動機は、人々の『なんとかしなければならない』という気持ちを動かしたかったから。怖がらせることが狙いではないので、そのためにはバランス感覚が非常に大事だと思いました。あまりにもフェイクストーリーっぽいものを作ってしまうと、まるで火星で起きているかのような、他人事のようなものに思われる危険性がある。一方、あまりにもリアリティを重視してしまうと観客が拒絶してしまうのではないか、という懸念がある。そんな中でアニメーションという手法が一番理想的で、観客が話についてきてくれ、しかも感情を揺さぶられる良いバランスがとれるのではないか、と思ったんです」と話す。

公開を前に「観客の皆さんからどんな反応があるのか楽しみにしています」と心境を明かし、「その後は、色々な国の政治関係者の方にも関心を持っていただいており、なるべく色々なところで、政治や外交、人権活動のリーダーの方々など色々な人たちを巻き込んで作品を広げていきたいと思っています」と願いを込めた。
「トゥルーノース」は、6月4日から東京・TOHOシネマズ シャンテほか全国公開。
(C)2020 sumimasen
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