事故で快感を得るフェティシズム、全編8割超のセックスシーンで賛否両論 クローネンバーグ「クラッシュ」4K無修正版予告

2020年12月22日 19:00


死と隣合わせの危険な快感への目覚め
死と隣合わせの危険な快感への目覚め

英国のSF作家J・G・バラードの同名小説を、カナダの鬼才デビッド・クローネンバーグ監督が映画化、自動車事故により性的興奮を覚える人々を描いた「クラッシュ(1996)」の4K無修正版の予告編とポスタービジュアルが公開された。

死と隣合わせの危険な快感への目覚め、人体損壊と車体の破損への欲求と美意識、登場人物たちが後戻りできない世界に堕ちていく究極の偏愛を、クローネンバーグならではの映像世界で描ききった。第49回カンヌ国際映画祭審査員特別賞を受賞したが、全編の8割以上がセックスシーンという過激な性描写が問題視され、イギリスの新聞「デイリー・メール」紙が1面で上映禁止を呼びかけるなど、賛否両論を巻き起こした。

予告編は、高速道路をのぞむ高層マンションのバルコニーで、主人公ジェームズ(ジェームズ・スペイダー)が妻キャサリン(デボラ・カーラ・アンガー)を後方より見つめる意味ありげな場面から始まる。「自動車事故は性的エネルギーの解放だ」という衝撃的な言葉と、ジェームズが乗った車が正面衝突の事故を起こす場面が続けざまに展開される。大けがを負いながらも、ジェームズは事故で今までになかった性的快感を覚え、危険なフェティシズムにハマっていく。予告の後半では、「現実を超えようとするのは、人間の基本的欲望である」というクローネンバーグ監督の言葉と、車のボディを人間の体のようにゆっくりと撫でる手が映し出される。4Kでクリアに蘇り、全体を通してどこか冷たく、温度を感じさせない近未来的な映像も特徴だ。

2021年1月29日から、シネマート新宿ほか全国順次公開(R18+)。

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