「ムーミン」誕生秘話と原作者の型破りな半生を描く 「トーベ」21年秋公開
2020年12月3日 17:00

世界中で人気を集める「ムーミン」の原作者として知られる、フィンランドの作家トーベ・ヤンソンさんの半生を描いた「トーベ(原題)」が、2021年秋に公開されることがわかった。あわせてフィンランド版のアートワーク、場面写真2点もお披露目。なお同作は、第93回アカデミー賞の国際長編映画賞部門のフィンランド代表に選出されている。
ヤンソンさん自身の人生からインスピレーションを得て生み出された「ムーミン」は、文学、コミック、舞台劇、アニメーションなど、誕生から時を経た今もなお、様々な形で親しまれている。「トーベ(原題)」では、ヤンソンさんの生き様とともに、戦時中に防空壕の中で怯えている子どもたちに語った物語からいかに原作小説が執筆され、魅力的なキャラクターたちが生み出されたのか、「ムーミン」の誕生秘話も描かれる。10月にフィンランドで公開されると、スウェーデン語のフィンランド映画としては史上最高のオープニング成績を記録した。
物語の始まりは、1944年のヘルシンキ。戦火の中で生きるトーベは、自分を慰めるようにムーミンの世界を作り、爆風で窓が吹き飛んだアトリエで過ごしていた。彫刻家である父の厳格な教えに反し、型破りだった彼女は、自分の表現と美術界の潮流との間にズレが生じていることに葛藤を抱いていた。やがて舞台演出家ヴィヴィカ・バンドレルと出会い、互いに惹かれ合っていく。

アートワークには、軽やかに踊っているかのようなトーベと、ムーミンのシルエットを活写。場面写真にはアトリエで熱心に絵筆を奮う姿、ムーミンを描く手元がとらえられている。
「トーベ(原題)」は、21年秋に東京の新宿武蔵野館、Bunkamura ル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国で公開。
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