全国の中学生たちがリモートで映画制作 映画祭の大スクリーンで上映され感激
2020年11月8日 16:03
第33回東京国際映画祭のユース部門「TIFFティーンズ映画教室2020」が11月8日、TOHOシネマズ六本木ヒルズで開催された。この日はワークショップ特別講師の三宅唱監督、メイキング映像「映画が生まれるとき~TIFFティーンズ映画教室2020~」を制作した中井聖満監督も出席し、中学生たちがリモートで制作した映画を鑑賞した。
「映画の未来の開拓」を重要なコンセプトのひとつに掲げている東京国際映画祭。将来の「映画を観る人、映画を作る人を育てる」ことを目的としたユース部門の特別企画として、中学生を対象とした映画教室が、今年の8~9月にオンラインで行われた。今回はオンライン開催ということもあり、日本国内でも遠方の参加者や、海外在住の参加者もいたという。
その時に制作された映画作品のお披露目上映となるこの日。イベント冒頭には、特別講師の三宅唱監督が登壇。参加者を前にし、「今回のプロジェクトはオンラインだったんで、実際に会うのは今日が初めて。ちょっぴり緊張していますが、こういう機会はなかなかないので楽しみましょう」と笑いながら切り出した三宅監督は、「普通は、映画作りは対面でするものであって、同じ空気を共有するものですけど、それができないとなると、どうやるんだろうと悩みました。オンラインでやっていくと、きっとWi-Fiの接続が悪いとか、時差があるとか、いろんなトラブルがたくさんあるだろうなと予想していました」と述懐する。
さらに「今、トラブルという言葉を使いましたが、実際は映画というものはトラブルと相性がいいということはチームで話していました。僕らはよく映画館に来て、いろんな人がトラブルに巻き込まれているのを目撃します。そこではたくさんのトラブルが起きますが、それはすぐに解決されず、それを見事に解決するというのが映画の醍醐味(だいごみ)かなと思います。だから今回のテーマもずばりトラブルにしようと。離れた環境でトラブルを解決する物語を作ったら面白いんじゃないかなと思いました」と続けると、「スクリーンでかかるのは1回しかありません。皆さん、思いっきり見ましょう!」と参加者に呼びかけた。
今回のワークショップに参加した中学生は17人。赤チーム(昆夏穂、仲條エリアス龍平、ハーゲドルン富、若月廉)、青チーム(大里菜桜、小野智遥、徳井泉、モーゼル ジュリアン雄偉<海外在住のため欠席>)、緑チーム(岡村凱天、坂田 慧、佐藤裕寧、佐藤璃音、本比田一朗)、黄チーム(高橋義助、平山恵都、松井琉名、南野怜実)という、4チームに分かれて映画制作を実施。期間中は特別講師の三宅監督や大人のスタッフたちを交えながらも、基本的には中学生が主体となってアイデアを出し合い、そして彼ら自身が俳優も兼任し、撮影を行った。こうして撮影した映像素材などは、オンラインでやり取りしながら制作を進めていったという。
そうして完成したのが「Homework from the Future」(赤チーム)、「Outside」(青チーム)、「某マンションとほんの小さな音楽について。-OTO-」(緑チーム)、「夏終わりの風」(黄チーム)という4本。ワールドプレミア上映となったこの日は、これらの4作品と、12日間の軌跡を追ったメイキング映像「映画が生まれるとき~TIFFティーンズ映画教室2020~」が上映された。
中学生の参加者たちからは「自分が作って、自分が出演した映画がこんな大きなスクリーンで上映されるなんて。一生に1回くらいのいい経験でした」「(リモートの)映画作りを通じて友だちができたので、いつかまたみんなで会いたいと思います」「最初はオンラインで映画を作るなんて無理だと思っていたけど、実際に作ることができて良かったなと思います」「スクリーンで上映すると小さな音も拾われていて。プロはすごいなと思いました」「撮影の時は、その人が何を撮ればいいか。直前に話をしてから行くけど、実際には想定外のカットが送られてくるんで。それが毎回届くのが楽しかった」といった言葉が次々と飛び出すなど、それぞれの中学生たちにとっても貴重な経験となったようだ。
フォトギャラリー
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
コンコルディア Concordia NEW
“20年間、犯罪が起きていない町”で殺人事件が起きた――熱烈にオススメしたい社会派AIサスペンス
提供:hulu
レッド・ワン
見たことも聞いたこともない物語! 私たちの「コレ観たかった」全部入り“新傑作”誕生か!?
提供:ワーナー・ブラザース映画
十一人の賊軍
【本音レビュー】嘘があふれる世界で、本作はただリアルを突きつける。偽物はいらない。本物を観ろ。
提供:東映
知らないと損!映画料金が500円になる“裏ワザ”
【仰天】「2000円は高い」という、あなただけに教えます…期間限定の最強キャンペーンに急いで!
提供:KDDI
グラディエーターII 英雄を呼ぶ声
【人生最高の映画は?】彼らは即答する、「グラディエーター」だと…最新作に「今年ベスト」究極の絶賛
提供:東和ピクチャーズ
ヴェノム ザ・ラストダンス
【最悪の最後、じゃなかった】最高の最終章だった…エグいくらい泣いた感動体験、必見!
提供:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
八犬伝
【90%の観客が「想像超えた面白さ」と回答】「ゴジラ-1.0」監督も心酔した“前代未聞”の渾身作
提供:キノフィルムズ
関連コンテンツをチェック
シネマ映画.comで今すぐ見る
ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。
文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。
奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。
死刑囚の告発をもとに、雑誌ジャーナリストが未解決の殺人事件を暴いていく過程をつづったベストセラーノンフィクション「凶悪 ある死刑囚の告発」(新潮45編集部編)を映画化。取材のため東京拘置所でヤクザの死刑囚・須藤と面会した雑誌ジャーナリストの藤井は、須藤が死刑判決を受けた事件のほかに、3つの殺人に関与しており、そのすべてに「先生」と呼ばれる首謀者がいるという告白を受ける。須藤は「先生」がのうのうと生きていることが許せず、藤井に「先生」の存在を記事にして世に暴くよう依頼。藤井が調査を進めると、やがて恐るべき凶悪事件の真相が明らかになっていく。ジャーナリストとしての使命感と狂気の間で揺れ動く藤井役を山田孝之、死刑囚・須藤をピエール瀧が演じ、「先生」役でリリー・フランキーが初の悪役に挑む。故・若松孝二監督に師事した白石和彌がメガホンをとった。
内容のあまりの過激さに世界各国で上映の際に多くのシーンがカット、ないしは上映そのものが禁止されるなど物議をかもしたセルビア製ゴアスリラー。元ポルノ男優のミロシュは、怪しげな大作ポルノ映画への出演を依頼され、高額なギャラにひかれて話を引き受ける。ある豪邸につれていかれ、そこに現れたビクミルと名乗る謎の男から「大金持ちのクライアントの嗜好を満たす芸術的なポルノ映画が撮りたい」と諭されたミロシュは、具体的な内容の説明も聞かぬうちに契約書にサインしてしまうが……。日本では2012年にノーカット版で劇場公開。2022年には4Kデジタルリマスター化&無修正の「4Kリマスター完全版」で公開。※本作品はHD画質での配信となります。予め、ご了承くださいませ。