田中裕子、6年半ぶりの映画舞台挨拶「1日でも早く気兼ねなく映画館で映画が見られる日が来るように」
2020年11月7日 12:00
女優・田中裕子が15年ぶりに主演した映画「おらおらでひとりいぐも」が11月6日、全国で封切られた。田中は蒼井優、濱田岳、青木崇高、沖田修一監督とともに、東京・TOHOシネマズ日本橋での舞台挨拶に立った。
「家路」以来、約6年半ぶりに映画の舞台挨拶に登壇した田中は、「この映画は想像を超えてポップです。見終わって、ちょっとでも弾けてもらえたら幸せです」とニッコリ。今作は、第158回芥川賞と第54回文藝賞をダブル受賞した若竹千佐子氏のベストセラー小説を映画化。夫に先立たれた75歳の主人公・桃子さん(田中)が、毎日本を読み漁り46億年の歴史に関するノートを作るうち、万事に対しその意味を探求するようになる。すると桃子さんの心の声“寂しさたち”が音楽に乗せて内から外へと沸き上がり、孤独だった生活は賑やかな毎日へと変わっていく。
“寂しさ”の1~3を演じた濱田、青木、宮藤官九郎に囲まれての撮影は「たくさんの自分自身と出会うなかで目と目を合わせていいものなのか、存在をわかっていいものか難しかった」という。それでも、「余計なことをしないよう心掛けました。変だったら監督が言ってくれるだろうと、絶大なる信頼のもと演じました」と述懐した。
日本映画の数々の名作に出演してきた田中との現場を、沖田監督をはじめキャスト陣は堪能した様子だ。沖田監督が「撮影中から嬉しいというか、ふとした瞬間に田中裕子さんとお仕事をさせてもらっているという喜びがあった」と笑みを浮かべれば、昭和時代の桃子さんに扮した蒼井も「田中さんと同じ役を演じられる機会なんてそうそうないですし、ずっと夢みたいでした!」と喜びを噛み締めた。
寂しさ2役の青木は、3日に第33回東京国際映画祭で上映された際の舞台挨拶に触れ、「英語通訳の方が役名を“ロンリネスツー”とめちゃくちゃ格好良く紹介してくださって、撮影中に自分がロンリネスだと聞いていたら、役作りも違った気がする」と明かし、場内を笑わせた。
上映前の舞台挨拶だったため、「1日でも早く、気兼ねなく映画館で映画が見られる日が来るように。肩をぶつけ合ってコンサートを聞きに行ける日が来るように。小さな小屋で息を潜めて芝居を見ることが出来るように。映画館で久しぶりに映画でも見ようかなと思ってくれる人がいたら、『みんなで待っています』と伝えたいです」と丁寧に語りかけた。
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