中川大志、「ジョゼと虎と魚たち」で“アニメ監督のこだわり”を実感
2020年11月7日 21:00

第33回東京国際映画祭で11月7日、劇場アニメ「ジョゼと虎と魚たち」が特別招待作品としてジャパンプレミア上映され、恒夫役を演じる中川大志とタムラコータロー監督が舞台挨拶に立った。
芥川賞作家・田辺聖子氏の小説の映像化で、2003年に妻夫木聡と池脇千鶴の主演で実写映画化されたことでも知られる同作。趣味の絵と本と想像のなかで生きる車椅子のジョゼ(CV:清原果耶)は、自分の夢を追いかける大学生・恒夫(中川大志)との出会いをきっかけに、外の世界へ飛び出すことを決意。互いへの理解を深めながら前に進む2人の姿が鮮やかに描かれる。
中川は「日本で初めて見てもらえることにドキドキしています。楽しみです」とうれしそうに語り、タムラ監督もプロット開発から4年近くかかった映画の完成に「この日を迎えられてうれしく思います」と感無量の表情を浮かべる。

自分と同い年の恒夫を演じた中川は、「素のトーンに近いしゃべり方で芝居ができた」と収録を振り返る。ジョゼを演じる清原の芝居を「とても可愛くて魅力的でした」と称賛し、清原との掛け合いのなかで自然と役に入り込んでいけたと話す。中川と清原による演技のコンビネーションをタムラ監督も褒め、「後半にかけて2人の距離感が変化していきます。色彩や音楽などあらゆる方法を駆使して描いているので、前半と後半の違いに注目して見ていただけたら」と観客に呼びかけた。
タムラ監督から細かく指示を受けながら細部までこだわって収録した思い出を、「(指示が)細かすぎて、前のテイクとどこが違うのだろうと思うときもありました」と中川は冗談めかして語りながら、そんなとき「自分も、そういう気難しいアニメ監督の役をやっていたことを思い出しました」とNHKのドラマ「なつぞら」でアニメ演出家の坂場一久役を演じたことに触れる一幕もあった。タムラ監督は、「アニメは、たくさんの時間と多くの部署の方々によってつくられるもの。その重みを感じながら声を吹きこんでもらえたのは、うれしいし幸せなこと」と感慨深そうに語った。
「ジョゼと虎と魚たち」は12月25日から全国公開。第33回東京国際映画祭は、11月9日まで開催。
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