中条あやみ「その言葉だけで金メダル」 室伏広治スポーツ庁長官が主演映画を激賞
2020年11月4日 20:42

中条あやみが主演した映画「水上のフライト」(11月13日公開)が11月4日、第33回東京国際映画祭の特別招待作品として東京・六本木のEXシアター六本木で上映され、中条、小澤征悦、兼重淳監督が舞台挨拶に立った。
本作は交通事故で歩けなくなった悲劇のヒロイン遥がパラカヌーに出会い、新たな夢を実現していく感動サクセスストーリー。6月公開を予定していたが、コロナ禍で延期となっていた。
走高跳の有力選手からパラカヌー選手になるヒロインを演じた中条は「競技カヌーに乗るだけで1カ月かかると言われましたが、自分の力で漕いで、臨場感が出せればと思い、頑張りました。ボディダブルを使わず、自分の力で出せたところがよかったなと思います」と胸を張った。

コーチ役の小澤は「優しさにあふれた映画になっています。自分も初めて競技用カヌーに乗りましたが、抑えていた手を離してもらった瞬間、落ちました。(カヌーを漕ぐ中条は)空を飛んでいる鳥のように見えました。『水面を渡る風になれ、遥』というセリフがあるんです」。兼重監督は「東京国際映画祭に出るのが夢でした。うれしく思います。公開が予定通りだったら、この場に立てなかった。コロナ禍でも、いいこともあるんだなと思った。見てくださった方の背中を押すような作品。パラスポーツに関わる人の背中を押せる作品になれば」とアピールした。

舞台挨拶には、室伏広治スポーツ庁長官がゲストとして登場。「スポーツの映画をありがとう。苦難を乗り越えて、明るいものが見えたという映画だった。まさにスポーツの素晴らしいシーンがあり、感動しましたし、多くの人に見て欲しいと思いました。陸上のシーンも素晴らしかった。ハイジャンパーみたいだなと思いました。努力をされて、素晴らしいシーンになったんじゃないかと思います」とほめると、中条は「その言葉を頂けただけで金メダルですね」と満面の笑み。兼重監督は、「競技カヌーに乗れるまでに1カ月かかるのではなく、体育会の学生がレジャーカヌーから競技用カヌーに乗るのにそれだけかかるんです」と訂正し、中条の努力を称えた。

スランプや挫折した時の乗り越え方を聞かれると、「一回、俯瞰して見るんです。自分の挫折感は、他の誰かが経験していると思うようにしている。人も経験しているから、自分も頑張ろうと自分を鼓舞しています」(小澤)、「日記に書くようにしていますね。後で見返すと、思い出になる」(中条)、「小澤さんと同じ。小さいことだと思えるから。後はたくさんお酒を飲む。これも同じ」(兼重監督)。室伏長官は「上達しようと思うときにスランプはつきもの。それを乗り越えた時に次がある。この映画でもそうでしたよね」と話した。
第33回東京国際映画祭は11月9日まで、六本木ヒルズ、東京ミッドタウン日比谷ほかで開催される。
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