【「鬼滅の刃」2本立てインタビュー】下野紘&松岡禎丞、汚い高音も雄叫びも唯一無二 “先輩後輩トーク”はそろって大照れ

2020年10月16日 20:00


「鬼滅の刃」インタビュー第2弾は下野紘&松岡禎丞!
「鬼滅の刃」インタビュー第2弾は下野紘&松岡禎丞!

10月16日公開の「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」2本立てインタビュー、第1弾の花江夏樹(https://eiga.com/news/20201015/12/)に続いて登場するのは、我妻善逸(あがつま・ぜんいつ)役の下野紘と嘴平伊之助(はしびら・いのすけ)役の松岡禎丞! 同じ事務所の先輩後輩ということもあり、インタビュー中も息ぴったりだった2人。善逸と伊之助の関係性の変化、テレビシリーズ出演決定を知らされた際の裏話、さらには善逸の“汚い高音”、伊之助の“獣(ケダモノ)のごとき雄叫び”の話題も飛び出した。インタビュー後半には、互いの印象を語り合う“先輩後輩トーク”も!!(取材・文・写真/編集部)

下野の汚い高音は「僕がやると喉が壊れる」(松岡)
松岡の雄叫びは「ケダモノみたい(笑)」(下野)

――同じ事務所の先輩後輩がそろってメインキャラクターに抜てきされたわけですが、テレビシリーズの出演決定時はどのような心境だったのでしょうか。

下野 (出演が)決まったと知った時は「松岡と(胡蝶しのぶ役の)早見ちゃんと一緒の現場だ~」と思いました(笑)。

松岡 (笑)。実は、僕個人としては、オーディションで一番手応えを感じていたのは善逸だったんです。だから「伊之助役で受かりました」と言われた時に……下野さん気を悪くしないでくださいね?

下野 いいよ(笑)。

松岡 「受かりました」と言われた時に、心の中で「善逸誰だよ!?」って思ったんです。

下野 (笑)

松岡 「自分が納得できる人間じゃなきゃ納得しないぞ」と思ったんですけど、「善逸は下野さんです」って言われたら、「あ、わかりました」と即納得して(笑)。善逸をやりたいって気持ちがなくなりました。

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――下野さんは、松岡さんが伊之助役だと知った時の心境はいかがでしたか?

下野 善逸がダメだったら受けたいなと思っていた役がいくつかあって、伊之助と、他のキャラクターでした。伊之助役が松岡だと聞いた時は、「なるほど」って納得しましたし、どういう芝居が飛び出してくるのか楽しみでした。

――お互いに納得がいったわけですね。劇場版のお互いの演技の印象はいかがでしたか? 「鬼滅の刃」といえば、善逸は汚い高音、伊之助も獣のように叫びまくっていますが、下野さんから見て、劇場版での松岡さんの“雄叫び”はいかがでしたか。

下野 僕は善逸を演じるうえで、今まで培ってきたものを駆使して、喉の使い方をコントロールしながら汚い高音を出しています。でも松岡演じる伊之助に僕のやり方を当てはめると、僕だったら確実に喉がつぶれるんです。松岡の伊之助は「僕だったら(喉を)痛めるな」という叫び方。だから「なんでそれで伊之助をやり続けられるの?」と思います。普通に叫ぶよりも、さらに荒々しく叫んだり、瞬間的にバーンって叫んだり。松岡って獣(けもの)みたいだなって……いや、ケダモノみたいだなって(笑)。

松岡 言い方がどんどん悪くなってます(笑)。

下野 ごめんごめん(笑)。でも、本当にすごい。あんなに動物的な表現をできるのがすごいと思うし、それをずっとキープし続けられるというのがすごい。やっぱり伊之助は松岡にしかできないなと思いますね。

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――松岡さんから見て、下野さんの汚い高音の印象はどうでしょう?

松岡 下野さんの声の出し方も、僕がやると確実に喉が壊れるんです。下野さんが作られた“善逸の声の基準”で僕が善逸を演じたら、喉がもたないですね。それと今回のアフレコで、初めての経験がありました。僕の隣のマイクに下野さんが入ってたんですね。で、下野さんの高音を隣で聞いた瞬間に、(耳を抑えて体をのけぞらながら)耳がキーンってなって(笑)。すごかったんです、高音が。破裂音とかそういうレベルじゃなく、つんざくっていうんですかね。

下野 (笑)。僕も初めての経験でしたね。僕が高音を出した瞬間、松岡が(体をのけぞらせるあまり)首が折れたみたいな体勢になってました(笑)。

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――「鬼滅の刃」を通して、お互いの“声のパワー”を再確認したわけですね。

下野 松岡の芝居、叫びを聞いてきて、これまでもすごいと思っていましたが、「鬼滅の刃」でそれを改めて実感しました。特に戦いのシーンでは、息つくひまもないくらいの叫びで、呼吸で、戦い続けなればいけないので。そういったシーンの松岡の演技を聞くと、やっぱり伊之助は松岡にしかできないなと。松岡が今までいろんな役をやって、いろんな修羅場をくぐり抜けて、役者としていろんなことを経験してきた集大成みたいなものが、今、一瞬、ここで出てきてるんだろうなと思います。

松岡 僕も下野さんと同じ気持ちです。下野さんがこれまで声優業界の第一線でやられてきたなかで、いろんなつらいこと苦しいこと、心が折れそうなことがたくさんあったと思うんです。それらを乗り越えて、今があって。そして、善逸をやられているわけじゃないですか。だから、「下野さん、どこまで上がるんだろう?」とすら感じます。高音という意味でも、どこまで上がるんだろうと(笑)。そのうち超音波みたいになるんですかね?(笑)

下野 上がりすぎて、そのうちみんなには聞こえない音になるかもしれない。コウモリ並みになるかもしれない(笑)。

善逸と伊之助は「仲良くなったのが1番の変化」(松岡)
炭治郎も2人を放置?「善逸しか伊之助を止めてない」(下野)

――テレビシリーズから劇場版までを振り返って、善逸と伊之助の関係はどのように変化したと思われますか?

下野 仲良くなったんじゃないですかね。

松岡 それに尽きますね。

下野 テレビシリーズでは(禰豆子が入っている)箱を守る善逸と、そんな善逸をボコボコにする伊之助という、最悪の出会いでしたから。そこからともに戦い、ともに傷をいやし、ともに“修業”をしてきた。そういった流れを経て、仲良くなりました。 ※禰豆子の「禰」の正式表記は「ネ+爾」

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松岡 やっぱり仲良くなったのが1番の変化ですよね。最初が衝撃的すぎたので。あんなことがあったら、普通「ごめんなさい」のひとつでも言ってもらわないと気がすまないですよね。でも善逸の優しさで伊之助を受け入れて、その後、苦楽をともにするという。

下野 テレビシリーズの最後では、列車からおいていかれそうになる善逸を、伊之助が引き上げてくれました。あと(劇場版の予告編第1弾では)列車から飛び出そうとする伊之助を、善逸はずっと止めてるんです。ほったらかしたりしないで、ずっと止めてる。(しみじみと)仲良くなったねえ(笑)

松岡 機能回復訓練が終わって、無限列車に行く前におにぎりをもらうシーンでも、もらった直後におにぎり食べようとする伊之助を善逸が止めてましたね。

下野 (善逸が伊之助に)「今食うの!?」って(笑)。

松岡 伊之助が「うるせえ!」って言ったら、善逸が「うるせえじゃねんだよ!」という(笑)。あれもケンカじゃなくて、じゃれてる感じでしたね。でも、前の伊之助だったらあの時点で善逸をぶん殴ってますよ。

下野 そうだね。あと、炭治郎も「もうこの2人は大丈夫だ」って思ったんでしょうね。2人のそういうやりとりを止めないもんね。伊之助のことを全然止めない。

松岡 そうなんです、伊之助のことを止めないんですよ。

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下野 あんなに周りをよく見ている心優しい炭治郎が、2人のいざこざに関しては、まったく口出ししなくなってきちゃったね。

松岡 今までだったら「やめろ!」と言ってるところです。

下野 今気が付いた! 無限列車でも善逸しか伊之助を止めてない!

松岡 そうなんですよ(笑)

下野 ひどい炭治郎だ……(笑)。

先輩・下野は“癒し柱”、後輩・松岡は“熱柱”
照れまくりの、先輩後輩トーク!

――おふたりは同じ事務所の先輩後輩ということで、お互いを「『鬼滅の刃』の現場における〇〇柱」に例えるとしたらなんでしょう?

松岡 下野さんは「癒し柱」です。

下野 (笑)

松岡 やっぱり下野さんがいる現場って、みんな楽しいんですよ。アフレコでは「この人がいれば大丈夫」と思える現場にしてくださるし、休憩中も楽しい。だから、自分もありったけの熱量をもって演技をすることができます。面倒見がよくて、頼りがいのある先輩という意味でも、キャスト表に下野さんの名前があると「あ! これは良い現場になるぞ」と思うんです。ムードメーカー的な意味合いでも下野さんは「癒し柱」です。

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下野 この質問、恥ずかしいですね……(笑)。松岡は「熱柱」ですね。どのキャラクターに対しても、どの作品に対しても、そして声をあてるということに対して、情熱が半端ない。「このキャラクターって、こういう生き方をしてきたら、こうなんですよね」というところまで、すごく真剣に考えて、突き詰めて演じています。そういった熱量は見習うべきだなと思います。あと、何に対しても全力。常に全力で……。

松岡(恐縮するあまり、下野と距離をとりはじめる)

下野 松岡がどんどん離れていく!(笑) どんな仕事も真剣で、一生懸命考えている松岡がいるからこそ、僕もその熱量についていかなければいけないなと感じています。

松岡 (恐縮しながら)ありがとうございます。

――主演の花江さんは、おふたりから見て何柱でしょうか?

松岡 個人的な見解ですが、夏樹は「堅柱」だと思います。堅実の堅。生き方であったり、演技の仕方であったりを、我々が想像する以上にちゃんと考えているんです。いろんな面から見て、尊敬の意しかありません。

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下野 猫柱と言いたいところだけど……「まとめ柱」ですね。特に「鬼滅の刃」では、ラジオやイベントなど、いろんなところで最後にきれいにまとめてくれます。収録でも、ベテランから若手まで、みんなをまとめてくれる。スタッフさんとキャストの間をつないで、まとめてくれるのも花江くんです。そういう意味で「まとめ柱」ですね。

――ちなみに花江さんは、下野さんのことを「カラアゲ柱」、松岡さんのことを「ハンバーグ柱」とおっしゃっていました。

松岡 えー! なんで!?(笑)

下野 要するに2人とも肉ですね。揚げた肉か焼いた肉かってことですね(笑)。

松岡 (笑)

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