スペインの巨匠カルロス・サウラの創作の秘密を紐解くドキュメンタリー映画公開
2020年9月25日 08:00
[映画.com ニュース]ルイス・ブニュエル、ペドロ・アルモドバルらと並ぶスペイン人監督のひとり、カルロス・サウラとその子どもたちとの会話を映したドキュメンタリー映画「サウラ家の人々」が11月21日から公開される。
カンヌ、ベルリン、ベネチアの世界三大映画祭での受賞歴やノミネート作があるサウラ監督は今年88歳。自在に創造に励んだ巨匠は私生活においても自由奔放で、4人の女性との間に7人の子をもうけている。最も知られている相手は世界的名優チャップリンの娘、ジェラルディン・チャップリンで息子を授かっている。
本作のフェリックス・ビスカレット監督は、サウラと7人の子どもたちとの会話を通して、そのさまざまな側面を浮かび上がらせようと試みた。過去についてはあまり話したがらなかったサウラだが、ただただ絵と写真が好きだ、ということが示される。そして、絵を描き、本を読み、家族と語らい、そして映画を構想する大切な場所である書斎が撮影場所として選ばれた。
また、「カラスの飼育」「カルメン」「血の婚礼」など、サウラの代表作が大胆に引用されており、サウラと家族たちが語らうシーンの背景にさまざまに投影され、まさにサウラの人生、そして映画作りが重層的に表現されている。
「サウラ家の人々」は、11月21日から新宿K's cinemaほか全国順次公開。「カラスの飼育」「ブニュエル ソロモン王の秘宝」「フラメンコ・フラメンコ」「J:ビヨンド・フラメンコ」4作品を上映するカルロス・サウラ特集も同時開催される。