ノーラン新作「TENET テネット」が欧州で封切り 初日興収は発表されず
2020年8月28日 14:00

[映画.com ニュース] 新型コロナウィルスの影響で「段階的劇場リリース」となったクリストファー・ノーランの新作「TENET テネット」が、イギリス、フランスをはじめとするヨーロッパ各国で公開を迎えた。アメリカは9日3日から順次公開となっているので、ヨーロッパの方が早い異例の事態である。
ロンドンでは、初日に劇場で鑑賞したトム・クルーズが、自身のソーシャルネットワークでその様子を挙げ、「大作を、大きなスクリーンで。最高」とツイートして話題になったが、バラエティの記事によれば、映画産業の中心地であるレスター・スクエア周辺の映画館の初回は、見込みよりかなり「静かな」スタートだったと報じられている。
一方、フランスでは8月24日、25日と一般向けの先行上映がいくつかのシアターで行われ、26日から正式公開となった。24日には、それまで3週間ほど映画館を閉鎖していた、2700人を収容するパリの大劇場Le Grand Rexが、本作とともに再開したが、「3分の2以上埋まっていたが売り切れにはならなかった」という。一方、シネコンチェーンのUGCは同日、シャンゼリゼのUGC Normandieはソールドアウトになったものの、4スクリーンを開けたUGCレアールは、チケットが残ったとか。ただし26日の初回の成績は、「ほぼ『ダンケルク』と同じ出だしで快調」とコメントしている。
もっとも、通常なら初日のボックスオフィスの成績が翌日に発表になるのだが、今回ばかりはなぜかどこにも発表されなかったため、配給会社がアメリカの公開に響くことを恐れて差し止めにしたのでは、などという憶測も上がっている。
またフランスでは、ここ一週間ほどで再びコロナ感染者数が上向きになっており、8月28日からはパリをはじめとする感染者数の多い地域で、屋内、屋外ともに公共の場はマスク着用が義務づけられた。つまり鑑賞中もマスク着用になるわけで、これは「マスク嫌い」のフランス人にとっては、かなりマイナス要素となりそうだ。
プレスの星取りは5点満点中の3.7。「スパイ映画へのオマージュと、時間に対するメタフィジカルな思索、監督のオブセッションが融合した、息詰まる2時間半に圧倒される」(パリジャン紙)といった絶賛派と、「ノーラン映画にしては珍しく、コンセプチュアルな力のデモンストレーションが、物語の芸術性と寓話の知的さに勝っている」(ル・モンド紙)といった低温度派に分かれている。
ともあれ、映画はまだ公開を迎えたばかり。いずれにしろ、替えのきかない希有なブロックバスターとして長く映画館に掛けられるはずゆえ、パリジャンがバカンスから本格復帰をはかる9月からの状況を静観したい。(佐藤久理子)
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