発禁の書を映画化、“悪魔”と呼ばれた少年が人間の悪意に立ち向かう「異端の鳥」予告編
2020年7月26日 18:00

[映画.com ニュース] ポーランドでは発禁書となり、作家自身も後に謎の自殺を遂げた“いわくつきの傑作”を映像化、ナチスから逃れるために田舎に疎開した少年が差別に抗いながら強く生き抜く姿と、ごく普通の人々が異物である少年を徹底的に攻撃する姿を描いた「異端の鳥」の公開日が10月9日に決定。このほど、日本版予告編がお披露目された。
ポーランドの作家イェジー・コシンスキが1965年に発表した同名小説を原作に、チェコ出身のバーツラフ・マルホウル監督が11年の歳月をかけて、全編モノクローム35ミリフィルムで映像化した。ベネチア国際映画祭のコンペティション部門で上映されると、少年の置かれた過酷な状況が賛否を呼び、途中退場者が続出したものの、同時に10分間のスタンディングオベーションを受けユニセフ賞を受賞し、同映画祭屈指の話題作となった。
予告編では、 家族とはぐれた少年が、瞳や髪、肌の色が違うために行く先々で“よそ者”“異端”扱いされ、「この子は悪魔の使いだ。我らに死を招く」と徹底的に差別される様を映すと同時に、戦争という狂気のうねりの中で多くの人命が虫けらのように扱われ、自己正義や嫉妬といった大義名分のもと人間が持つ凄まじい残虐性があぶりだされている。
「異端の鳥」は、10月9日から東京・TOHOシネマズ シャンテほか全国公開。
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