歴史的暗殺事件の闇と真相「わたしは金正男を殺してない」10月10日から世界最速公開

2020年7月22日 14:00

金正男暗殺事件の犯人として逮捕されたシティ・アイシャ(左)とドアン・ティ・フォン
金正男暗殺事件の犯人として逮捕されたシティ・アイシャ(左)とドアン・ティ・フォン

[映画.com ニュース] 2017年2月13日に起こった金正男暗殺事件の闇と真相に迫り、2020年のサンダンス映画祭でプレミア上映されたドキュメンタリー「ASSASSINS(原題)」が、「わたしは金正男を殺してない」の邦題で、10月10日から世界最速公開されることが決定した。

17年2月、マレーシアのクアラルンプール国際空港でひとりの男が突然倒れた。神経猛毒剤「VX」を顔に塗られて殺された男は、北朝鮮・朝鮮労働党委員長、金正恩(キム・ジョンウン)の実兄・金正男(キム・ジョンナム)氏。彼を殺したのは、ベトナム人とインドネシア人の若い女性2人だった。白昼堂々と行われた暗殺の一部始終は、空港の監視カメラにすべて収められており、まるで“ドッキリ”にも思える衝撃的な映像が、世界を駆け巡ることになった。

映像がとらえていたのは、ふたりの若い女性が金正男氏に近づき、両手で目を覆う姿。よろめきながらその場を立ち去った金正男氏は、その後1時間もしないうちに死亡が確認されている。しばらくして明らかになったのは、耳を疑うような情報だ。金正男を殺害したふたりの女性が「私は(SNSに投稿するための)いたずら動画を撮るために雇われただけで、雇い主の目的は一切知らなかった」と主張したのだ。

当時の監視カメラ映像
当時の監視カメラ映像

しかし、マレーシア政府は女性たちの主張を一蹴。ふたりを逮捕して拘置、殺人罪で起訴。有罪になった場合、死刑が適用されることになった。巨大な国を相手に、彼女たちの無罪を信じ、証拠を積み上げていく弁護団。渾身の調査で分かってきたのは「有名になりたい」「お金が欲しい」とそれぞれの人生を夢見るふたりに付け込み、SNSを通して巧妙に罠をしかけてきた北朝鮮の工作員たちの姿だった。

メガホンをとったのは、「おしえて!ドクター・ルース」「ジェンダー・マリアージュ 全米を揺るがした同性婚裁判」のライアン・ホワイト監督。謎に包まれた北朝鮮の都市・平壌や逮捕されたふたりの故郷であるインドネシアやベトナム、そして裁判が行われているクアラルンプールの法廷を飛び回り、信じられないような事実と驚くべき物語を活写している。

また、公開決定に伴い、シーン写真もお披露目。犯人として逮捕されたシティ・アイシャとドアン・ティ・フォンの虚ろな表情、暗殺時「LOL(大爆笑)」と書かれたTシャツを着ていたことで、世界中の話題をさらった当時の監視カメラからの一場面となっている。

わたしは金正男を殺してない」は、10月10日から東京のシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開。

(映画.com速報)

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