岩井俊二監督作の主題歌は小泉今日子「連れてってファンタァジェン」のセルフカバー 予告編も完成
2020年7月10日 10:00
[映画.com ニュース] 岩井俊二監督と斎藤工、のんがタッグを組んだ劇場版「8日で死んだ怪獣の12日の物語」の主題歌が、小泉今日子の1987年の名曲「連れてってファンタァジェン」に決定した。岩井監督の熱烈なオファーを受けた小泉が、リアレンジされた楽曲をセルフカバー。あわせて予告編(https://youtu.be/HwQ_G54wxuE)もお披露目され、コロナと戦ってくれるというカプセル怪獣を買った男を軸にした、フィクションだがドキュメンタリーのような不思議な世界観を垣間見ることができる。
本企画の始まりは、樋口真嗣監督ら5人の監督が「怪獣の人形に願いを込めてコロナウイルスを倒そう」という趣旨のもと、自宅で撮影した見えない大怪獣コロナと自分の怪獣との戦いを、SNS上でリレー形式でパスしていく「カプセル怪獣計画」。岩井監督が番外編として創出した全12話のオリジナルストーリーを、全編ほぼリモートで撮影し、YouTube(https://www.youtube.com/playlist?list=PLtt5h2o3ddfAQk3fWNxlM95aTOCxFMnLe)で配信した(現在も視聴可能)。そして同シリーズをもとにした劇場版の公開が決定。斎藤、武井壮、のん、穂志もえか、樋口監督が出演している。
物語の主人公は、通販サイトでコロナと戦ってくれるというカプセル怪獣を購入したサトウタクミ(斎藤)。毎日怪獣の成長を配信しているタクミに、通販で宇宙人を買ったという後輩・丸戸のん(のん)、コロナの影響で無職になってしまった先輩・オカモトソウ(武井)から連絡がくる。日に日に怪獣は成長していくが、どうもYouTuber・もえかす(穂志)が育てている怪獣とは種類が違うようだ。怪獣に詳しい知り合いの樋口監督にノウハウを聞きながら、タクミは怪獣を育成していく。
予告編には、配信版にはなかったカプセル怪獣の登場シーンや、サトウタクミと周りの人々との奇妙な会話が切り取られている。「どこまで大きくなるんだろう、これ。考えてなかった……」(もえかす)、「地球ってこのままで良いと思います?」(丸戸)というセリフが、意味深に響く。映像には仮面をつけ一心不乱に舞い踊るダンサーたちや、空を飛ぶカプセル怪獣など、想像を超える物語を示唆する要素がちりばめられている。
主題歌を歌う小泉は、岩井監督がプロデュースするアコースティックトリオユニット「ikire」とコラボレーション。ピアニストの中村由利子を迎え、弦の旋律も混じり合う、2020年版「連れてってファンタァジェン」が誕生した。小泉は「33年振りに歌った『連れてってファンタァジェン』でした。この映画が誰かの心のファンタァジェンになりますように」と願いをこめる。
岩井監督は「かつて小泉今日子さんのオリジナルビデオに『Phantasien』というファンタジー作品があり、若かりし頃、いつか自分もこういう作品を作ってみたいと思ったものでした。『連れてってファンタァジェン』はそのクライマックスに出てくる曲でした」と述懐。「今回、『8日で死んだ怪獣の12日の物語』のテーマ曲を考えていた時に、不意にこの曲を思い出し、これ以外にないと思ってしまいました。コロナ禍のつらい日々の中で、ファンタジーを強く希求する自分がいて、久しぶりに聞いたこの曲は、今なお色褪せない力強さがありました。小泉今日子さん自身に歌って頂けることになり、本当に夢のようです」と感謝を伝えた。
劇場版「8日で死んだ怪獣の12日の物語」は、7月31日から全国のミニシアターで順次公開。なお本作の売り上げの一部は、ミニシアター支援に充てられる。
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