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結婚20年、夫婦の愛はどう変化する? 元夫婦が共演、大人の恋愛映画「今宵、212号室で」監督に聞く

2020年6月18日 15:00

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クリストフ・オノレ監督
クリストフ・オノレ監督

仏女優カトリーヌ・ドヌーブと伊俳優マルチェロ・マストロヤンニのひとり娘で、女優のキアラ・マストロヤンニが主演し、第72回カンヌ国際映画祭ある視点部門最優秀演技賞を受賞した映画「今宵、212号室で」が6月19日公開される。結婚して20年の夫婦の愛の危機を、コメディタッチで描いた大人の恋愛ドラマだ。キアラは実生活の元夫である、バンジャマン・ビオレと夫婦役を演じている。クリストフ・オノレ監督が作品を語った。

パリのホテルを舞台に展開する恋愛ドラマ。マリアとリシャールの夫婦は付き合って25年、結婚して20年になる。ある日、密かに重ねていたマリアの浮気が夫のリシャールにばれてしまう。怒った夫と距離を置くため、マリアは一晩だけアパルトマンの真向かいにあるホテルの212号室に宿泊する。そんなマリアのもとに20年前の姿をしたリシャールが現れ、さらに元カレたちも次々と登場するという不思議な一夜が幕を開ける。

画像2(C)Les Films Pelleas/Bidibul Productions/Scope
――結婚20年目の夫婦の愛、という普遍的で現実的なテーマを描くにあたり、ユニークな手法であえてファンタジーとして描いたのはなぜでしょうか?
私は近年は、演劇の仕事をたくさんやってきて、演出家として、舞台上というリアリズムの中でどれだけの自由が得られるかを探求してきました。演劇の舞台ではある程度の制約があるため、舞台の観客たちは映画の観客に比べてより頭を使って芝居を見ています。するとそこに現実のイリュージョンのようなものが見えてくるのですが、私は演劇で見えるそのイリュージョンを、映画で見せたいと思いました。さらに映画では人間の感情を描くので、深さや真実味も同時に表現でき、すべてが可能です。人間は時々、馬鹿げたことやおかしなこと、不思議なことを考えますが、この映画は主人公マリアの頭の中を覗きこむような映画にしたかったのです。
――マリアを演じるキアラ・マストロヤンニをはじめ、夫役のバンジャマン・ビオレ、20年前の夫役のバンサン・ラコスト、イレーヌ役のカミーユ・コッタンと、キャスティングが見事です。
キアラは私の「美しいひと」(08)や「愛のあしあと」(11)などで仕事していたので、「また一緒に映画をつくりたい」とずっと思っていました。彼女にコメディのヒロインをやらせてみたかったんです。何度か企画はあったのですが、なかなか実現できなくて。でも彼女の現在(いま)を撮りたいとずっと思っていました。だからマリア役は最初から決まっていたんですが、マリアの夫リシャール役がなかなか決まらなくて……。
バンジャマン・ビオレはフランスでとても有名な歌手でありアーティストで、彼を起用するアイデアは浮かんだのですが、バンジャマンはキアラが実際に結婚していた元夫なので言いづらかったんです。ある日、キアラに何気なくその話をしたら、実は彼女も最初にシナリオを読んだ時に、夫役はバンジャマンにぴったりだと思ってたそうで、それに二人は離婚後も、バンジャマンのツアーにキアラが参加するなど一緒に仕事しているので問題ありませんでした。20年前のリシャールを演じたバンサン・ラコストは、私の前作「ソーリー・エンジェル」(18)が良かったのでまた一緒にやりたくて。リシャールのピアノ教師だったイレーヌ役を演じたカミーユ・コッタンは「エージェント物語」(Netflixにて配信中)というシリーズものの人気ドラマを見て、特別な現代性を表現できると感じたのでオファーしました。
画像3(C)Les Films Pelleas/Bidibul Productions/Scope
――本作では主人公のマリアが夫に内緒で浮気を重ねていますが、日本では夫が浮気することより、妻が浮気することに対して厳しく非難されがちなように思います。
それは不思議ですね。ただヨーロッパでも南側、スペインやポルトガルでは女性蔑視が強い傾向にあります。ですから不倫すると女性は罪人として法廷で裁かれます。ですが、アングロサクソン系の国に行くと「彼女は活動家だ」「フェミニストだ」という見方をされます。
私が映画を作る時に気をつけているのは、女性がアクティブであること、決して受け身ではないことです。ちょうどこの脚本を書いているときに世界中でMetoo運動が起こっていました。そこで私は「女性とはこうあるべきだ」という紋切り型ではなく、できるだけ自由に描こうと思いました。この映画の最後を飾るマリアのセリフが象徴しています。彼女はリシャールに、「今夜はひまだ」と言うのですが、「ひま」というのはフランス語で「自由」という表現をします。この言葉は象徴的です。この映画は自由な女性の肖像(ポートレイト)のようなものだと思っています。
――様々なパートナーシップの形がありますが、監督自身は「結婚」についてどう考えていますか?
とても難しい質問ですね(笑)。フランス人にとっては、カップルとか結婚という言葉そのものにちょっとした抵抗というか恐怖を感じるところもあります。個人的には、この映画で描かれるほど私は自由ではないので、一緒に住んでいるからにはパートナーにはお互いに誠実さを求めてしまうし、自分だけを見ていてほしいとも正直思う。ただ私が思うのは、カップルとして長く生き、長く愛を育んでいる人たちにはとても強い美しさとパワー、力強さを感じる、ということ。彼らは決して自己中心的にはならず、愛を消費する人たちではありません。それがとても感動的です。たとえば流行のものを買って手にいれるように愛を消費することはとても危険です。恋愛を消費してはいけないのです。

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