【ホラー映画コラム】玉石混交の投稿動画界隈でもかなり玉側!「やりすぎ感」が特徴の大御所シリーズ
2020年6月12日 21:00
![大御所シリーズ「封印映像」](https://eiga.k-img.com/images/buzz/84651/830b0bfbf465e4d3/640.jpg)
[映画.com ニュース] Twitterのホラー界隈で知らぬ者はいない人間食べ食べカエル氏(@TABECHAUYO)によるホラー映画コラム「人間食べ食べカエル テラー小屋」では、“人喰いツイッタラー”が、ホラー映画専門の動画配信サービス「OSOREZONE」の配信中のオススメ作品を厳選し、その見どころを語り尽くす! 今回は、大御所シリーズ「封印映像」を紹介する。
本コラムを読んでくださっている方ならご存知かと思うが、視聴者から送られてきた恐怖映像を紹介する、いわゆる投稿動画系の映像作品群の中に「封印映像」というシリーズがある。このシリーズは、毎回3~4本の恐ろしい投稿動画を取材も交えながら紹介するのだが、その最大の特徴は「やりすぎ感」だ。
幽霊は当たり前のようにクッキリ映るし、それ以外にも人間を超越した狂人や、果てにクリーチャーや妖怪まで出てくる。そして、そこそこの確率で人が死ぬか廃人になってしまう。映像は毎回バラエティに富んでおり、今度は何が映るのかと、つい手を伸ばしてしまう魅力がある。実はすでに40巻以上も出ている大御所シリーズだが、今回はその中から第41巻を取り上げ、収録されている計4エピソードそれぞれの内容について書いていきたい。
一つ目の映像は「ツーリング」。投稿者の男性がツーリングコースのある峠に向かう道中を、バイクに取り付けられたカメラから映し出す。その映像の中に恐ろしいものが映り込んでいた……。
まずは王道の心霊映像からスタート。白昼の山道をバイクで走る投稿者。途中で道に迷い、通行人に目的地の峠の場所を聞くが、その名前を出した途端に通行人の雰囲気が変わる。それでも何とか道を聞き、ようやく峠に着く。そこで、ある異様なものが映る。道端に靴や免許証が不自然に落ちているのだ。アイテムを道にただ置く事で、お手軽に気味の悪さを演出。これは中々いいアイデアだ。このタイミングで、ただのドライブ映像から一気に空気を変えると、あとは怒涛の心霊嫌がらせ! チラリズムに心霊音声、トドメの一撃を華麗にキメる。特段恐ろしいわけではないが、ここまでの巻数を積み重ねてきたからこそ出来る、熟練の心霊技を堪能できる。テンポを重視した心霊現象の重ね撃ちが冴える。安定感すら感じられる堂々の1本目である。
![画像2](https://eiga.k-img.com/images/buzz/84651/5239dda97e5bbf20/640.jpg?1591835599)
続く2つ目は「お葬式」。これは女性が葬式のため家族と実家に帰省した際に、彼女の主人が持っていった一眼レフを使って、2人の娘が撮影した映像だ。実家の少し古びた感じや、お葬式を行うという空気感が、不気味な雰囲気を醸し出す。
ここにきて封印映像が少し本気を出す。実家を訪れた親族夫婦の奥さんが突然腹を押さえて苦しむ。そして腹から血が!突然の事態に居合わせた一同騒然!そこに一瞬映る女性の霊!!そう、今回は物理で殺りに来る霊が登場(どんな物理かは見てのお楽しみ)だ。霊の登場時間は非常に短いが、その分かなりクッキリ映るのが嬉しい。そして短いと言えば、霊が珍しいミニスカート姿なのが印象的だった。
3つ目の映像は「ビデオレター」。投稿者は、一人娘がいるAさん。別れた旦那ががんで亡くなる前に撮ったビデオレターが、彼の友人を通じて送られてきたものだという。それには案の定恐ろしいものが映り込み……。程よく気味が悪いが、正直なところかなり映像的なインパクトが弱い。次に行きましょう。
![画像3](https://eiga.k-img.com/images/buzz/84651/0f17c8a9968bc44d/640.jpg?1591835605)
ラストを飾るのは、この巻のサブタイトルにもなっている「田中」だ。投稿者は、投稿動画系が大好きな佐々木(仮名)さん。知り合いの男女2人に心霊スポットの一軒家を探索させ、その様子を映して動画にしようとしたのだが、案の定……という内容だ。
映像の冒頭、カメラを回す佐々木さんが、女性に「田中みたいにやってくれ」と意味不明な言動を放つ。もう取り憑かれた!? と思いきや、これは封印映像スタッフの1人である田中さんみたいにやってくれと言っていたとの事。それでサブタイトルが「田中」というわけか。いろいろ投稿動画は観ているが、名前がサブタイトルになるスタッフは初めて見たかもしれない。
さて、一軒家に入ってからの雰囲気は良い。暗く荒れた部屋には、いかにも何か出そうだ。投稿動画ホラーの醍醐味の一つは、こういった場所の探索を疑似体験できることだと思っているが、ここでもそれが味わえる。出来ればもっと探索してほしいところだが。で、この佐々木という男。女性一人だけに探索させようとする。冒頭から言動が鼻につくと思っていたが、こいつ中々のクソ野郎だ。案の定、無理やりやらされた女性は霊の仕業でおかしくなり、そのまま精神病院に直行。その顛末を悪びれもせず話す佐々木に、封印映像スタッフ一同もドン引き。一人ヘラヘラする佐々木。切れるスタッフの田中さん。一体何を見せられているんだ!? これはもうタイトル「佐々木」にした方がいいんじゃない? とまあ、いろんな意味で印象に残るエピソードである。
というわけで第41巻、最後に凄い乱着陸を見せてくれた。封印映像は、波はあるけど大体どの巻でも強烈な映像が拝めるので、玉石混交の投稿動画界隈でもかなり玉側だと思う。他の巻もOSOREZONEで配信中なので、気になった方は鑑賞してはいかがだろうか。
関連ニュース
![「伊丹十三4K映画祭」東京・大阪で開催! 全10作品を4Kデジタルリマスター版で上映](https://eiga.k-img.com/images/buzz/115436/006c479450933617/320.jpg?1738138455)
![松重豊、これまで参加した撮影現場で最も幸せな気持ちになった食事は?【「劇映画 孤独のグルメ」インタビュー】](https://eiga.k-img.com/images/buzz/115005/4c09cebf007721b2/320.jpg?1736315337)
![あなたが好きな“おじいちゃんおばあちゃん映画”は? 映画.com&ユーザーおすすめ48選](https://eiga.k-img.com/images/buzz/112820/a35ec69a0f255040/320.jpg?1727257445)
![中国映画「夏が来て、冬が往く」12月公開決定!是枝裕和、滝田洋二郎、池松壮亮らが応援コメント寄稿](https://eiga.k-img.com/images/buzz/112701/969a4b1ff55e826f/320.jpg?1726729609)
![「お葬式」「おくりびと」の系譜を継ぐ“死”をテーマにしたダーク・コメディ「カオルの葬式」11月22日公開決定](https://eiga.k-img.com/images/buzz/112462/2eb148f231881381/320.jpg?1725870985)
![北野武監督「首」で秀吉を演じた理由、次回作の構想明かす「今考えているのは“パロディ”について」](https://eiga.k-img.com/images/buzz/106769/ce735eac336f6490/320.jpg?1700037435)
映画.com注目特集をチェック
![ドライブ・イン・マンハッタンの注目特集](https://eiga.k-img.com/images/top_news/5388/09ed044b2a9ae088/320.jpg?1738897851)
ドライブ・イン・マンハッタン
【今年の“個人的ベスト3入り”が確定!?】人はなぜ浮気をする? 人生観が変わる運命的な物語
提供:東京テアトル
![ショウタイムセブンの注目特集](https://eiga.k-img.com/images/top_news/5380/b5d72760f5ef3c7b/320.jpg?1738849989)
ショウタイムセブン
【阿部寛がヤバすぎる】異常な主人公 VS イカれたテロリスト…ラスト6分、阿部寛、狂う。
提供:アスミック・エース
![「アベンジャーズ」と関係するかもしれない“大事件”の注目特集](https://eiga.k-img.com/images/top_news/5377/4431a1db49fffd64/320.jpg?1739498930)
「アベンジャーズ」と関係するかもしれない“大事件”
【話題沸騰中】物語のカギは、なんと“日本”!? このマーベル最新作は観るべきか、否か――?
提供:ディズニー
![“史上最悪”の事件を全世界に生放送の注目特集](https://eiga.k-img.com/images/top_news/5376/3e9d067cb4226ba7/320.jpg?1739460689)
“史上最悪”の事件を全世界に生放送
【衝撃の1日を追体験】こんなショッキングな瞬間…観ていいのか? 圧倒的緊迫感の90分
提供:東和ピクチャーズ
![私が死ぬときを、見届けて――の注目特集](https://eiga.k-img.com/images/top_news/5375/6356d5dc8d9b1d53/320.jpg?1738716873)
私が死ぬときを、見届けて――
【親友から、奇妙なお願い】次に観るべき“珠玉の衝撃作”。魂に効く“最高傑作”更新。
提供:ワーナー・ブラザース映画