大林宣彦監督の妻・恭子氏が追悼「彼にあと三倍の映画の時間をあげたかった」
2020年4月14日 18:29
最新作「海辺の映画館 キネマの玉手箱」でもプロデューサーを務めるなど、大林監督を長年支えてきた恭子氏は「監督は、次回作のロケハンに出かけました」と旅立ちを報告。「連日連夜、映画の夢の中、撮影現場にいるらしい監督は元気な声で『ヨーイ、スタート。カット。オーケー。皆、お疲れさん、ありがとう』。毎晩その楽しそうな声に私は目を覚まし、『お疲れさま、ありがとう』と答えていました」と、亡くなる前の日々を明かした。
「数日前、真夜中に講演らしきお話をしていました。そんな中『岩井君、手塚君、犬童君、塚本君たちが映画をつないで平和な世の中に……』と、とぎれとぎれ聞こえてくる言葉、いつもと変わらない最後の言葉『ありがとう』」と、大林監督が後輩監督の名前をあげたという。「そして、監督が繰り返した『皆さん、ありがとう』を監督の遺言としてお伝え致します」と代弁した。
大林監督と過ごした63年間を「文学と音楽と映画の日々」と表現した恭子氏は、「いつも監督の口癖は『眠るのは死んでから充分眠れるのだから眠るなんて勿体ない』と本当に眠りませんでした。今頃、ロケハンの途中の天国村で、黒澤明監督や本多猪四郎監督、立川談志さん、高畑勲監督、和田誠さんにお会いして、映画談義が尽きることなく、やっぱり眠っていないのではと思います」と天国での姿を予想する。
「まだまだあふれる才能の持ち主、彼にあと三倍の映画の時間をあげたかった」と無念の思いも告白し、「大林作品を愛して下さったすべての人に監督の『ありがとう』をお伝えしたく存じます。『ありがとう』の言葉に、毎晩、私からも監督に『ありがとう、愛してる』と真夜中の涙。すると『お休み……』と返事が…。今頃ロケハンで未知(・・)なる道(・・・)を見つけてくれていることと思います」と思いを馳せた。
関連ニュース






映画.com注目特集をチェック

映画「F1(R) エフワン」
【語れば語るほど、より“傑作”になっていく】上がりきったハードルを超えてきた…胸アツをこえて胸炎上
提供:ワーナー・ブラザース映画

たった1秒のシーンが爆発的に話題になった映画
【この夏、絶対に観るやつ】全世界が瞬時に“観るリスト”に入れた…魅力を徹底検証!
提供:ワーナー・ブラザース映画

でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男
【あり得ないほど素晴らしい一作】この映画は心を撃ち抜く。刺すような冷たさと、雷のような感動で。
提供:東映

186億円の自腹で製作した狂気の一作
【100年後まで語り継がれるはず】この映画体験、生涯に一度あるかないか…
提供:ハーク、松竹

なんだこの映画は!?
【異常な超高評価】観たくて観たくて仕方なかった“悪魔的超ヒット作”ついに日本上陸!
提供:ワーナー・ブラザース映画

すさまじい映画だった――
【あまりにも早すぎる超最速レビュー】全身で感じる、圧倒的熱量の体験。
提供:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

“生涯ベスト”の絶賛!
「愛しくて涙が止まらない」…笑って泣いて前を向く、最高のエール贈る極上作【1人でも多くの人へ】
提供:KDDI

究極・至高の“昭和の角川映画”傑作選!
「野獣死すべし」「探偵物語」「人間の証明」…傑作を一挙大放出!(提供:BS10 スターチャンネル)