岡山天音、「踊ってミタ」は「演技とリアルが半々で目頭が熱くなる」
2020年3月3日 13:30

[映画.com ニュース] 主演でも脇でも、唯一無二の個性を光らせる俳優の岡山天音が、「チキンズダイナマイト」「ポエトリーエンジェル」に続き、飯塚俊光監督と3度目のタッグを組んだ主演映画「踊ってミタ」。ニコニコ動画の「踊ってみた」をフィーチャーしながら、「ボカロ」「Vtuber」などのインターネットカルチャーと町興しを融合させた完全オリジナル脚本の本作について、岡山は「脚本を読んだ時点から、ポジティブな空気に包まれました」と笑顔で語った。
岡山が演じるのは、映像作家になる夢に破れ、故郷のド田舎に戻ってきた観光課の職員・三田。深刻な過疎化が進み、名産品は干し芋のみという町だが、町長・丸山(中村優一)の「町を活性化しろ」という鶴の一声で、観光動画を制作することになる。
東京出身の岡山が、Uターンしてきた地方出身者で、やや腐っている三田役にどうアプローチしたのか。「三田の一部はもともと自分の中にもあったものです。境遇は違いますが、人の視線を気にしたり、どこか自分を受け入れられずにコンプレックスを抱くこともありますし」と共感できた点も多かったという岡山。
「俳優としても、僕はうだつの上がらない役を演じることも多く、そこに関してはいろいろと想像してきました。また、仕事でいろいろなところに行かせてもらう機会が多いので、そこで同世代の人とすれ違うと、僕がここで生まれて暮らしていたら、どういうふうになっていただろう?と、空想したりもしていました」

岡山は、3本の主演作で組んできた飯塚監督について「すべてにおいてしっかりとジャッジを下してくれる。一つの記号から広げたキャラクターが素晴らしく、キャストの見たことのない表情が見られます」と全幅の信頼を寄せる。実際にオーディションで抜擢された新進女優、加藤小夏が放つ鮮烈なヒロイン像をはじめ、他の飯塚監督作の2本でも岡山と共演した武田玲奈や、「仮面ライダー電王」の中村優一なども新鮮な役どころに扮し、作品に妙味を与えている。
本作のハイライトとなるバリエーション豊かなダンスシーンも、演技を超越した真のドラマが映し出されている。「僕は、みんなのダンスをカメラの後ろからすべて見学しましたが、役とリンクしているダンスシーンもあって、演技とリアルが半々な感じもしました。フィクション映画の中でそういう瞬間が見られるのは、なかなか珍しいかと。曲調はポップなのに、目頭が熱くなりました」
また、昨年で俳優デビュー10周年を迎えた岡山に、今後の展望を聞いてみると、「自分がいる場所には、常にポジティブな要素とネガティブな要素の両方があります。若い時は、ずっと遠くにある理想ばかりを追いかけ、そこにいくまで踏ん張る感じでしたが、たとえそこに到達できたとしても、状況は変わらないなと。だから今は、自分がいる半径の中で、そこにある豊かさ、ポジティブなものをちゃんとつかんでいきたい。それは、『踊ってミタ』のテーマとも共通する気がします。油断するとネガティブの方をつかみがちですが、これからはそのことを自覚し、ポジティブな方を選択していきたいと、改めて思いました」
「踊ってミタ」は、3月7日から全国で公開。
関連ニュース






映画.com注目特集をチェック

映画「F1(R) エフワン」
【語れば語るほど、より“傑作”になっていく】上がりきったハードルを超えてきた…胸アツをこえて胸炎上
提供:ワーナー・ブラザース映画

たった1秒のシーンが爆発的に話題になった映画
【この夏、絶対に観るやつ】全世界が瞬時に“観るリスト”に入れた…魅力を徹底検証!
提供:ワーナー・ブラザース映画

でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男
【あり得ないほど素晴らしい一作】この映画は心を撃ち抜く。刺すような冷たさと、雷のような感動で。
提供:東映

186億円の自腹で製作した狂気の一作
【100年後まで語り継がれるはず】この映画体験、生涯に一度あるかないか…
提供:ハーク、松竹

なんだこの映画は!?
【異常な超高評価】観たくて観たくて仕方なかった“悪魔的超ヒット作”ついに日本上陸!
提供:ワーナー・ブラザース映画

すさまじい映画だった――
【あまりにも早すぎる超最速レビュー】全身で感じる、圧倒的熱量の体験。
提供:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

あなたがまだ出合っていない“人生の1本”
“生涯ベスト”の絶賛!笑って泣いて前を向く、最高のエール贈る極上作【1人でも多くの人へ】
提供:KDDI

究極・至高の“昭和の角川映画”傑作選!
「野獣死すべし」「探偵物語」「人間の証明」…傑作を一挙大放出!(提供:BS10 スターチャンネル)