ディズニーのボブ・アイガーCEOが退任 後任はボブ・チャペック氏
2020年3月2日 16:00
[映画.com ニュース] 米ウォルト・ディズニーの代表兼CEOのボブ・アイガーが退任し、後継者としてボブ・チャペック氏を指名した。米ハリウッド・レポーターが報じている。
アイガー氏は会長職に留まり、2021年12月31日の契約満了までチャペック新CEOとともにディズニーを指揮する。その後は、チャペック氏が会長兼CEOとなる見込みだ。
05年にディズニーのCEOに就任したアイガー氏は、ピクサー(74億ドル)、マーベル(40億ドル)、ルーカスフィルム(40億ドル)と巨額買収による拡大路線を展開。買収により知的財産を確保したうえで、フランチャイズ展開する手法は大成功を収め、19年には7本の作品が世界興収10億ドルを超える大ヒットを記録した。ディズニー映画の世界累計興収は前代未聞の130億ドルに到達し、業界No.1を独走している。
19年はアイガー政権のディズニーにとって大きな変化の年となり、史上最高額となる713億ドルを投じて21世紀フォックスを買収。20世紀フォックス、フォックス・サーチライト、FXネットワーク、ナショナル・ジオグラフィックを手中に収めたのち、米ストリーミングサービスHuluの完全支配にも成功している。
さらに、同年11月にローンチしたディズニー独自のストリーミングサービス「Disney+」は、「スター・ウォーズ」シリーズ初の実写ドラマ「マンダロリアン」のヒットもあり、すでに2860万人の会員を獲得。そんななか、アイガー氏は後継者候補と噂されていたチャペック氏を新CEOとして迎え入れた。
チャペック氏は、1993年にディズニー入社。ウォルト・ディズニー・スタジオの配給部門や、ディズニーパークやリゾート事業を扱うディズニー・パークス・エクスペリエンス・プロダクツの代表などを歴任。100年近い歴史を持つディズニーで、7人目のCEOとなる。
チャペック新CEOは、就任に際し「世界で最高だと信じる会社でCEOを引き継ぎ、才能あふれ献身的な社員を指揮できることをに誇りに思います」「ボブ・アイガー氏は、ディズニーをもっとも尊敬され、成功を収めたメディア企業へと成長させた人物です。私は彼が指揮するチームの一員として、最前列でその成功を目の当たりにしてきました」とコメントしている。
一方、アイガー氏はチャペックス氏をCEOに指名した理由を「我が社は過去12カ月で急激に大きくなり、複雑になりました。資産基盤が整い、基本的な戦略展開ができたいま、私自身は可能な限りクリエイティブ面に時間を割くべきだと感じています」と説明。会社経営をチャペックCEOに任せ、クリエイティブ面を追求していく考えを明らかにしている。
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