フードロスをおいしく楽しく解決!「もったいない」精神宿す日本をキッチンカーでめぐるロードムービー
2020年1月28日 12:00

[映画.com ニュース] 世界の生産量のうち3分の1は廃棄されてしまうというフードロスの問題と向き合うフードアクティビストが、日本各地をキッチンカーで訪れるロードムービー「もったいないキッチン」が、8月に公開されることが決定。食品ロスをおいしく楽しく解決するため、「もったいない」精神発祥の地・日本をめぐり、様々なヒントや幸せを見つけていく。
もともとは仏教思想に由来し、ケニア出身の環境保護活動家ワンガリ・マータイが掲げ注目を浴びた、世界共通の合言葉「もったいない」。無駄をなくすという意味に加え、命あるものに対する畏敬の念がこめられた、日本独自の美しい言葉だ。そんな「もったいない」精神を体現する美食の国でありながら、日本では年間643万トン(国民1人あたり、毎日お茶碗一杯分に匹敵する量)の食料が廃棄されている現状がある。2050年には世界人口が90億人に達し、食べ物が足りなくなると不安視されている中で、日本の廃棄量は世界の食料援助量の約2倍であり、世界トップクラスの数値を記録している。
「もったいない」精神を宿しながらも、深刻なフードロスの問題を抱える日本を訪れたのは、オーストリア人フードアクティビストで、映画監督でもあるダービド・グロス。捨てられてしまう運命にある食材をおいしい料理に生まれ変わらせる活動に取り組んでいる。本作では4週間にわたる旅を通して、旅のパートナー・塚本ニキやユニークな日本人シェフたちとともに様々なアイデアを発見し、各地で「もったいないキッチン」をオープンさせる。
ヨーロッパ諸国を回りながら、廃棄予定の食材を使った創作料理を振る舞う長編ドキュメンタリー「0円キッチン」で知られるグロス監督は、「世界で生産される食料の3分の1は食べられることなく廃棄されている」という事実に触れ、「気候危機の時代に、このような無駄があってはなりません」「問題はとてつもなく大きいかもしれませんが、人々の創造的な取り組みははるかに大きいのです」と語る。
舞台となった日本について、「日本は長い歴史の中で、食文化への畏敬の念を有していますが、他方で、世界で最も食料廃棄をしている国の一つでもあります。そんな日本は、もったいない精神という類まれな考えにより、未来をよりサスティナブルにする革新的な“レシピ”を持っています」と解説。「『もったいない』は、日本だけでなく、世界中にひらめきを与えることのできる考え方です。その始まりは、あなた自身の態度と、キッチンから始まります!」と力強くメッセージを残した。
「もったいないキッチン」は、8月からシネスイッチ銀座、アップリンク吉祥寺ほか全国で順次公開。
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