発禁書が奇跡の映画化 ホロコーストと“普通の人々”からの差別に抗う少年描く「異端の鳥」公開
2020年1月28日 13:00

[映画.com ニュース]昨年のベネチア国際映画祭で注目を集め、アカデミー賞国際長編映画賞のチェコ代表にも選出された「The Painted Bird(原題)」が「異端の鳥」の邦題で、2020年初夏公開される。
第2次大戦中、ナチスのホロコーストから逃れるために、たった一人で田舎に疎開した少年が差別と迫害に抗いながら強く生き抜く姿と、異物である少年を徹底的に攻撃する“普通の人々”を赤裸々に描いた本作は、ベネチア映画祭のコンペティション部門で上映されると、少年の置かれた過酷な状況が賛否を呼び、途中退場者が続出。しかし、同時に10分間のスタンディングオベーションを受け、ユニセフ賞を受賞し、同映画祭屈指の話題作となった。
原作は自身もホロコーストから生還した、ポーランドの作家イェジー・コシンスキが1965年に発表した「ペインテッド・バード(初版邦題:異端の鳥)」。ポーランドでは発禁書となり、作家自身も後に謎の自殺を遂げた“いわくつきの傑作”を映画化するために、チェコ出身のバーツラフ・マルホウル監督は3年をかけて17のバージョンのシナリオを用意。資金調達に4年をかけ、さらに主演のペトル・コラールが成長していく様を描く為、撮影に2年を費やし、実に11年もの歳月をかけて映像化した。
シネスコ、モノクロームで約3時間の圧倒的な映像美が紡がれる本作は、「コーリャ 愛のプラハ」でアカデミー賞外国語映画賞を受賞し、チェコのアカデミー賞であるチェコ映画賞最優秀映画賞を7度も受賞したチェコ映画界の巨匠ウラジミール・スムットニーが撮影監督を務め、舞台となる国や場所を特定されないように人工言語のスラビック・エスペラント語が採用された。
迫害を生き抜くうちに徐々に心を失っていく少年を体当たりで演じ切ったのは、新人のペトル・コラール。そのほかステラン・スカルスガルド、ハーベイ・カイテル、ジュリアン・サンズ、バリー・ペッパー、ウド・キアらいぶし銀の名優たちが顔を揃えている。
人はなぜ異質な存在を排除しようとするのか? ホロコーストの源流を辿り戦争と人間の本性に迫り、見る者の心を激しく揺さぶり問いかける衝撃作だ。2020年初夏、TOHOシネマズ シャンテ他全国公開。
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