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“司法制度”の実態とは?「リチャード・ジュエル」元警察官らが大学生に特別講義

2020年1月17日 17:00

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「リチャード・ジュエル」ティーチインイベントの模様
「リチャード・ジュエル」ティーチインイベントの模様
(C)2019 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

[映画.com ニュース] クリント・イーストウッド監督の最新作「リチャード・ジュエル」(公開中)のトークイベントが1月15日、東京・日本大学文理学部で行われた。ジャーナリストの柳澤秀夫氏、元警察官で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏、元同志社大学教授の浅野健一氏が登壇し、ジャーナリストや科捜研心理学分野などを目指している大学生に向けて、特別講義を開催した。

1996年に起きたアトランタオリンピックで実際に起きた爆破事件で、大勢の命を救いながら第一容疑者とされた男の実話を映画化。リチャード役のポール・ウォルター・ハウザー、弁護士ワトソン役のサム・ロックウェルをはじめ、オリビア・ワイルドジョン・ハムらが出演。リチャードの母ボビを演じたキャシー・ベイツは、第92回アカデミー賞で助演女優賞にノミネートされた。

本作を鑑賞した柳澤氏は「マスメディアの仕事をしている人間は絶対に見るべき作品。やはり周辺取材をどこまでできるか、情報をどこまで幅広く集められるか。時間に追われながら、果たしてどこまでできるかが問われると思います」と率直な意見を語る。

小川氏は「実は警察は怪しいと思った人物には任意でしか話を聞くことができませんが、記者が取材をする分には問題がないので、逆に記者を使って話を聞くということもあるのです。ですから、この映画で起きたことは日本で起きても違和感はないと思います」と解説する。

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実際のリチャードをよく知る浅野氏は、俳優のそっくり度に驚いたことを明かしつつ、「この映画でアメリカのメディアがひどいとは思わないでほしい。それどころか日本よりもレベルは高いと思います。司法制度にしても、日本は遅れています。本作で取り調べの場面に公衆電話があったことを思い出してください。ジュエルが弁護士に電話をかけたら、話をすることができました。そのやりとりは日本では絶対にできません。海外の司法制度がどうなっているかを、知っていただきたいです」と訴える。

最後に、柳澤氏は「映画の中で印象的だったのは、最後にジュエルに対して『終わったぞ』という場面です。皮肉に聞こえました。確かに事件は終わりましたが、第2第3のジュエルは絶対に出てきます。それを自分の胸に刻み込みました。それでないとこの映画を見た意味がないとすら思いました」と力強く語り、イベントを締めくくった。

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