“シリアルキラー”の語源になった殺人鬼、犯行の動機は失恋だった? “専門家”が解説
2019年11月20日 19:00

[映画.com ニュース] 「グレイテスト・ショーマン」のザック・エフロンが、アメリカ史上最も凶悪な殺人犯を演じた「テッド・バンディ」のトークイベントが11月18日、都内で行われ、映画評論家・特殊翻訳家の柳下毅一郎氏、「別冊映画秘宝」編集長の田野辺尚人氏が登壇した。
本作は、1970年代のアメリカで30人以上の女性を惨殺したとされるテッド・バンディを描いた作品。シリアルキラーの語源となった殺人鬼バンディは、IQ160の頭脳と美しい容姿で司法やメディアを翻ろうし、女性たちをひきつける魅惑的なカリスマ性を持ち合わせていた。3度の死刑判決を受けるが、無罪を主張。法律を学んでいたことから自ら弁護人となり、法廷で徹底抗弁を繰り広げた。
イベントに登壇した柳下氏と田野辺氏は、「マーダー・ウォッチャー」という殺人を研究するという雑誌を日本で初めて立ち上げたが、3号目で有害図書として摘発されてしまった過去がある。

バンディの恋人視点で物語が進む本作について、柳下氏は「映画を見ていると本当にバンディが犯人なのかわからなくなるけれど、当時はあやふやな目撃情報しかなかった。だからこそ真顔で『自分はやっていない』と言われると『あ、そうなのかな?』と思ってしまう。この映画も殺人現場を見せないという部分で、観客に彼は冤罪なのではないかという印象を持たせるような作りにしている」と語る。
さらに、柳下氏は「1973年の夏、バンディは数年前に自分のことを“成熟していない”という理由で振ったステファニーという女性と再会し、再び付き合うようになる。久々に再会したバンディが自信に満ちあふれている姿を見て、彼女は彼との婚約にまで至るけれど、突然バンディは彼女を振ってしまう。その後からバンディの殺人が始まり、彼の被害者はみんなタイプが同じで、長い髪を真ん中で分けている、ステファニーとそっくりな女子ばかり。彼女を振った時と同じような感覚で、バンディは犠牲者を選んで殺し続けたと言われている。リリー・コリンズの演じたリズも同じタイプの見た目ですよね」と指摘する。
田野辺氏も「自分を幼児扱いして振った女が憎くて憎くて仕方がない。この憎悪があらゆる人に広がっていくというわけです」と補足し、バンディが殺人に手を染めた理由を語った。
「テッド・バンディ」は12月20日から全国公開。R15+指定。
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