白石和彌監督が激賞!PFFアワード2019グランプリは中尾広道監督「おばけ」
2019年9月21日 11:00
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[映画.com ニュース] 9月7日に開幕した「第41回ぴあフィルムフェスティバル(PFF)」のメインプログラムとなる自主映画のコンペティション「PFFアワード2019」の表彰式が9月20日に東京・京橋の国立映画アーカイブで行われ、大阪府出身の39歳、中尾広道監督の映画「おばけ」がグランプリに選ばれた。
自主映画の面白さを広く伝えるため1977年にスタートし、数多くの映画監督を輩出したPFF。今年は495本の応募から一次審査、二次審査を経て、18作品が入選。最終審査員は俳優の斎藤工、映画監督の白石和彌、山下敦弘、映画プロデューサーの西川朝子氏、写真家の野村佐紀子氏の5人が務めた。
「おばけ」は、一人で自主映画をつくり続ける監督と、彼を見守るはるか宇宙の星たち。誰も知らないささやかな映画制作の過程が大きな宇宙へとつながっていくさまを描き出した作品。1979年生まれ、大阪府出身の中尾広道監督は、友人の撮影を手伝ったことをきっかけに、映画撮影の道に。可能な限り、自分ひとりの力で作るスタイルで制作を続けている。PFFアワード入選は、「船」(2015)、「風船」(17)に続き3度目となる。
名前を呼ばれた中尾監督は「生きているうちに評価されて良かった」と切り出すと、「僕は本当にPFFが大好きで。この映画祭に出合えたことで自主映画の魅力も知りましたし、映画を撮っていて、迷ったりグチャグチャになった時も、PFFがあるからと思って背中も押してもらいました。ここで素晴らしい賞をいただけたということは励みになりますし、今までやってきたことを肯定していただけた」と感激の面持ち。さらに「もうやりたくないことはやらない。やりたいことだけやってしまおうと。そこは純粋な部分を保ったまま、今後も身銭を切って自主制作でやっていきたいと思います。そういう結論に至ったので、PFFには感謝も恨みもありますが、今日は飲もうと思います」と決意を新たにしている様子だった。
審査員を務めた白石監督は、「おばけ」のグランプリ選出に「満場一致でした」と説明。「独特の語り口で、中尾監督にしか撮れないオンリーワンの作品。僕はこの映画を語る言葉を持ち合わせていない。小説とかマンガとか、他の表現では表現しきれない、“映画”としか言い切れない感情がわき上がる。中尾監督が作家というなら、僕はまだまだそこに行けていない。映画に心を奪われて、多分食えなくて、家庭を壊し、でも映画に愛されたいという気持ちに、僕は胸がいっぱいになるような思いです。いち映画監督として、中尾監督にアドバイス出来るようなことはありませんが、ひと言だけ言うならば、中尾監督は映画に愛されていると思います」と祝福の言葉を述べた。
この日は審査員の斎藤は仕事の都合で欠席。代わりにビデオメッセージを寄せ、「個人的に大事にしたのは、これが(映画学校などの)卒業制作のゴールなのではなく、その先を見る野望というか。そういう欲望が見える方に賞をあげたいなという気持ちが強かった」と述懐。さらに今回選ばれたグランプリ、準グランプリ、審査員特別賞(3本)という5本の作品について「メイド・イン・ジャパンで世界で戦える、世界に誇りたい5本が選ばれたんじゃないかなと思います」と誇らしげに付け加えた。今年の受賞作は、以下の通り。
中尾広道監督「おばけ」
山口優衣監督「雨のやむとき」
草場尚也監督「スーパーミキンコリニスタ」
草場尚也監督「スーパーミキンコリニスタ」
橋本根大監督「東京少女」
末松暢茂監督「OLD DAYS」
城真也監督「アボカドの固さ」
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