レオナルド・ディカプリオ、“伝統的な”映画製作絶滅に危機感

2019年8月2日 14:00


レオナルド・ディカプリオ
レオナルド・ディカプリオ

[映画.com ニュース]オスカー俳優レオナルド・ディカプリオが7月22日(現地時間)、米ロサンゼルスのTLCチャイニーズ・シアターで開催された主演最新作「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」のLAプレミアに出席。レッドカーペットで米バラエティの取材に応じ、滅びつつある伝統的な映画製作への思いを語った。

ディカプリオ演じる落ち目の俳優リックと、ブラッド・ピット扮する付き人でスタントマンのクリフの友情と絆を軸に、1969年ハリウッド黄金時代の光と闇を描く同作を、監督のクエンティン・タランティーノは「かつてのハリウッドへのラブレター」と称する。

そんなタランティーノ監督と同じく、古き良きハリウッドを愛してやまないディカプリオは、「ストリーミングが主流の今は即時性がすべてだから、何もかもがあっという間に出来あがってしまう。知らないうちに全8話からなる新ドラマがスタートしているといった具合にね。しかも従来のテレビドラマとは違い、1週間待たなくても最新エピソードが見られてしまう」とストリーミングサービスならではの利点を認めたうえで、「CGを一切使わず、工夫を凝らした装飾だけで1969年当時の景観を再現した実際のハリウッド大通りをロケ地に、フィルムで撮影したこの映画は、それが当たり前だったハリウッドの黄金時代を思い起こさせてくれたよ。そうした昔ながらの映画作りが絶滅の危機に瀕していると思うと、とても不安になるね」と懸念を口にした。

「でもいずれは、恐竜と同じ運命を辿ることになるのかな」と冗談めかして語ったディカプリオ。「だとすればせめて、映画館に集まったみんなと素晴らしい芸術作品を一緒に楽しむ、という従来の映画体験だけは、なくならないことを願うよ」。

ストリーミングサービスの拡大によって加速する“映画館離れ”を危惧するのは、ディカプリオだけではない。アカデミー賞からNetflix作品の締め出しを画策するなど、“アンチ・ストリーミング派”の急先鋒として知られる巨匠スティーブン・スピルバーグ監督は今年2月、第55回CAS(米映画音響協会)賞授賞式でフィルムメーカー賞を授与された際、「フィルムメーカーが成し得る最大の貢献は、観客に忘れがたい映画体験を提供することであり、映画館は永久不滅だと、固く信じている」という熱のこもったスピーチを披露し、映画館存続の重要性を訴えていた。

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