「ウォーキング・デッド」原作コミックがサプライズ完結!作者が明かした意図とは…
2019年7月5日 12:00

[映画.com ニュース] 米大ヒットドラマ「ウォーキング・デッド」の原作コミックが、7月3日(現地時間)発売の193巻をもってついに完結を迎えた。
2003年に米イメージ・コミックスから刊行されたロバート・カークマン原作、チャーリー・アドラード作画による同作は、ゾンビ化した死人“ウォーカー”がはびこる荒廃したアメリカを舞台に、安住の地を求めて旅する生存者たちの過酷なサバイバルを描いたグラフィックノベル。これまでに60の国と地域、30言語に翻訳され、世界累計発行部数は5000万部を超える。
通算200巻という節目を前にしての突然の完結は、大きなサプライズだった。米ハリウッド・レポーターによれば、最終号の発売に際し、事前告知が一切なかっただけでなく、次号予告としてアドラードが描き下ろしたカバーアートまで掲げていたという。カークマンはそれが自らのアイデアによるものだったことを明かしたうえで、こう説明している。
「僕が何より嫌なのは、次に何が起こるか知ってしまうこと。映画やテレビドラマが終盤に差しかかると、『ああ、もうすぐ終わっちゃう!』ってたまらない気持ちになるし、小説やコミックを読み終えてしまう時もそう。その点『ゲーム・オブ・スローンズ』なんかは、秀逸なペース配分と構成のおかげで、見はじめてから15分経ったのか、はたまた50分経ったのかよくわからないまま気が付いたら終わっていて、毎回びっくりさせられる。素晴らしいと思うよ。同じ理由で、まだまだ続くと思いきやいきなりエンディングで、『えっ? もう終わりなの?』って驚かされるような長尺の映画も好きなんだ。僕がこれまで目指してきたのは、そしてクリエイターとしてできるのは、自分自身が楽しめるストーリーを仕立て上げたうえで、読者や観客にも自分と同じくらい楽しんでもらえるよう願うことだけだよ」
さらにカークマンは、「ファンへの手紙」というタイトルで最後のページに掲載された同文のなかで、読者の予想を裏切る驚きのストーリー展開が「ウォーキング・デッド」にとっていかに大事だったかを力説。「ページをめくるまで何が起こるか、誰が死ぬか、どんな死を遂げるのかわからないといったサプライズの要素は、このシリーズの土台であると同時に、長年にわたって物語を推し進め、読者を夢中にさせてきた活力源でもある。だからこそシリーズの完結も、シェーンからリックに至るメインキャラクターらの死と同様に、サプライズであるべきだと感じたんだ」と、シリーズの完結に秘められた意図を明かした。
10年に米ケーブル局AMCで放送がスタートするやいなや驚異的な視聴率をたたき出し、世界中で社会現象を巻き起こしたテレビシリーズ「ウォーキング・デッド」は、その後「フィアー・ザ・ウォーキング・デッド」を皮切りに、キャストをはじめとする多彩な顔ぶれを招いて各エピソードの内容や裏話を語り尽くす解説番組「トーキング・デッド」、ウェブショート「Flight 462(原題)」と次々にスピンオフ番組を生み出したのみならず、ビデオゲームにスマホゲーム、アクションフィギュアにボードゲームなど、いまや一大フランチャイズに発展している。
「ウォーキング・デッド」の最新シーズンとなるシーズン10がアメリカで今秋放送をスタートするほか、「フィアー・ザ・ウォーキング・デッド」は現在シーズン5が放送中。このほか、AMCは、今後も「ウォーキング・デッド」ユニバースを展開。CCO(チーフ・コンテンツ・オフィサー)のスコット・M・ギンプル指揮のもと、シーズン9前半で本家シリーズを卒業したリック役のアンドリュー・リンカーンが、同役で復帰することが決定済みの複数の映画企画や、終末後の世界で生き残った第1世代の若者たちに焦点を当てたタイトル未定の新シリーズなど、関連作品を多数準備していると報じられている。
16年間、193巻にわたって紡がれてきた壮大な原作物語は幕を閉じたものの、「ウォーキング・デッド」ユニバースはこの先まだまだ拡大を続けて行きそうだ。
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