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阿川佐和子が熱弁 日立鉱山の煙害問題と闘った、立場の違いを超えた若者たちの友情

2019年6月7日 20:04

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初めて実写映画のナレーションに挑戦した 阿川佐和子
初めて実写映画のナレーションに挑戦した 阿川佐和子

[映画.com ニュース] 昭和の文豪・新田次郎の小説を映画化した「ある町の高い煙突」のトークショーが6月7日、東京・飯田橋の神楽座で行われ、本作で初めて実写映画のナレーションを担当した阿川佐和子、メガホンをとった松村克弥監督が登壇した。

茨城・日立鉱山の煙害による大気汚染に苦しんだ地元住民の実話をベースにした物語。1910年、同県久慈郡入四間に生まれた関根三郎(井手麻渡)は、隣村の日立鉱山による煙害が発生しているという話を耳にする。村の権力者である三郎の祖父・兵馬(仲代達矢)は鉱山会社との話し合いに赴くが、「補償はするが煙害は我慢してくれ」と一方的な結論を告げられる。やがて兵馬は三郎に、30年前に採掘権を許可したのは自分だと告白し、5日後に亡くなってしまう。三郎は祖父の遺志を継ぎ、進学も外交官になる夢も捨て、煙害と闘うことを決意する。

この日は、ナレーション部分の映像が観客に披露され、「後で採点されたりする?」「私、ナレーションの仕事が実は好きなんですけど、あんまり(お話が)来ない」と不安顔の阿川。松村監督が「阿川さんはシビアで客観的なナレーションも、あたたかいナレーションもできる方です」と絶賛すると、阿川は照れながらも「『踏みにじられる』という部分をマイクに向かってきちんと言うと、見られたくないような顔になっちゃう」と裏話を明かしていた。

胸を打たれた場面を問われ、阿川は「日本が富国強兵で重工業に力を入れていた勢いの中で、若者が大企業を相手に果てしない闘いをしていたんですよ。それでも戦い続けた農村の若者と、受け入れた企業の人と……(その友情に)私は泣いちゃうんですよ」と熱弁。さらに、「企業の中で歯車として働いていたら、一人間として『誰かを傷つけているんじゃないか』と思いを馳せることはできなくなっていくと思う。企業の一員ではあるけど、一人間としてどう生きるかを自分に問われる映画」と作品のメッセージを紐解く。

阿川の発言に大きくうなずいた松村監督は「新田さんが生前出演されているテレビ番組が最近見つかって。当時は昭和40年代で、水俣病やイタイイタイ病が問題になっていた時代ですが、新田さんは『最近の企業は臭いものにフタの精神で(事件や不祥事を)カモフラージュして隠そうとしているけど、この日立鉱山は科学的なアプローチと人間的な善意で住民に向き合った。ここに私は胸を打たれたんです』と語っている。その新田さんの精神を映画化したいと思いました」と心情を吐露した。

ある町の高い煙突」には、ほか渡辺大小島梨里杏吉川晃司らが出演。6月14日から茨城で先行公開され、同22日から東京・有楽町スバル座ほか全国で順次公開。

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