ヘイトクライム被害は自作自演 「Empire」ジャマル役俳優逮捕
2019年2月25日 08:30

[映画.com ニュース] 米人気ドラマ「Empire エンパイア 成功の代償」のジャマル役で知られる歌手・俳優ジャシー・スモレットが暴行を受けたとされる事件が、本人による自作自演だったことが発覚した。米シカゴ警察は2月21日(現地時間)、治安びん乱罪および警察に虚偽の通報を行った容疑で、スモレットの逮捕に踏み切った。CNNほか複数の米メディアが一斉に報じている。
スモレットは1月29日(現地時間)、シカゴ市内のレストランから出てきたところを2人組の暴漢に襲われた。その際、暴行犯らは人種・同性愛差別的な罵詈雑言を吐きながら顔に殴りかかり、漂白剤と思われる液体を浴びせたうえ、ロープで首を絞めて逃走。さらには暴行の最中「ここはMAGA(ドナルド・トランプ米大統領が掲げるスローガン“Make America Great Again”の略)の国だ」と叫んでいたとスモレットが証言したことから、警察当局は当初、ヘイトクライム(憎悪犯罪)の線で捜査を進めていた。しかしその後、当局が容疑者2人の身柄を確保したことにより事態は一転。取り調べの結果、スモレットが2人に3500ドル(約38万円)を支払い、暴行犯を“演じる”よう依頼していたことが明らかになった。
「人種差別に対する怒りと苦しみを、自身のキャリア促進のために利用した」と、怒りをあらわにスモレットの逮捕を発表したシカゴ警察のエディ・ジョンソン本部長は、「出演料に不満を抱いていた」のが犯行の動機と説明。当局の調べによれば、スモレットは事件の1週間前、「Empire エンパイア 成功の代償」のセット宛に人種や同性愛を批難する政治的な内容の偽の脅迫状を送りつけており、番組の制作チームが反応を示さなかったため、自作自演の暴行を企てるに至ったという。
スモレットはシカゴ警察に出頭後、保釈金1万ドルを支払ってすでに釈放済み。弁護団は声明を通し、「(今回の逮捕劇は)警察による組織だった見せ物にすぎず、アメリカの法制度においてあってはならないもの。スモレット氏は高潔な人格者であり、一貫して無実を主張する」と徹底抗戦の構えをみせている。一方の検察側には、スモレットが実行犯に支払った3500ドルの小切手の写しや双方が事件前後にやり取りしていたことを証明する通話記録、さらに事件前日に覆面やサングラスその他のアイテムを購入する実行犯2人の姿を捉えた監視映像など、スモレットを有罪に導く物的証拠が山積みだ。
イリノイ州法において警察に虚偽の通報をするのは第4級の重罪にあたることから、有罪が確定すれば、スモレットには最大で懲役3年の実刑判決が下される可能性がある。「Empire エンパイア 成功の代償」の制作・放送を手がける米20世紀フォックス・テレビジョンはスモレットの逮捕を受け、すでに撮影済みであるシーズン5のラスト2話から、彼が演じるジャマルのキャラクターを取り除くと発表したが、シーズン6への更新が決まった場合にスモレットが復帰するか否かについては、現時点で不明。スモレットの第1回公判は、現地時間の3月14日に予定されている。
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