アイ・ウェイウェイが難民問題を映した「ヒューマン・フロー」報道写真家、美術館キュレーターが対談 : 映画ニュース

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アイ・ウェイウェイが難民問題を映した「ヒューマン・フロー」報道写真家、美術館キュレーターが対談

2018年12月5日 14:30

フォトジャーナリストの安田菜津紀氏(右) と森美術館キュレーターの近藤健一氏「ヒューマン・フロー 大地漂流」

フォトジャーナリストの安田菜津紀氏(右)
と森美術館キュレーターの近藤健一氏
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[映画.com ニュース] 2017年のベネチア国際映画祭で5部門を受賞した映画「ヒューマン・フロー 大地漂流」の試写会イベントが12月3日、都内で行われ、「アイ・ウェイウェイが描く『美術のちから』と『難民の流れ』」と題し、フォトジャーナリストの安田菜津紀氏と森美術館キュレーターの近藤健一氏が対談した。

中国の現代美術家アイ・ウェイウェイが、ギリシャのレスボス島を中心に、23カ国を超える40箇所もの難民キャンプを訪れ、取材を敢行。貧困・戦争・気候変動など、様々な理由で増加し続ける難民を何年にも渡って取材し、世界問題となっている難民危機の現状を追う。

世界各国の貧困、難民問題を取材している安田氏は、アイ・ウェイウェイがイラクを撮影した2016年10月のひと月前に、同地を訪れていたと明かす。「ものすごく分厚い黒煙が空を覆っているシーンがあります、その当時、砲弾の音が聞こえて、それが空気の振動として伝わるくらい前線に近いところだった。ああいう風に油田が燃えていると、熱波がすごいとイメージされるかもしれないけれど、あのあたりは空気がヒヤッと冷たいのです。分厚い煙に覆われて太陽の熱が伝わらない、そういったことを思い出しながらこの作品を見ました」と振り返る。


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また、映画内で言及されている、トルコのキャンプに暮らす難民は全体のわずか1割程度という例を挙げ、「食料もひとまずの住居も与えられるキャンプからどうして出て行くのだろう。外に自由にいけないし、ただただ待っているだけ、これは人間らしいといえるのだろうか、どれだけ過酷だとしても移動の自由があって、不法かもしれないけれど働くことができる、それで何とか人々が人間らしさを保とうとしているのではないか。人間らしく生きるとは何かを問われた気がした」と述懐、「地域ごとに撮られた作品はたくさんあるが、ここまで世界規模で網羅された映画は初めて見た」と驚きを語った。

「ウェイウェイの言葉を借りると、難民問題ではなく、人間問題だとしている。まさに、この映画はその視点で撮られていると思う」と感想を述べる近藤氏。「美術畑でウェイウェイがやっていることの話ですが、スケールがものすごく大きい。例えば、森美術館で2009年にやった個展では8時間連続のトークを敢えてやっていました。昨年の横浜トリエンナーレのファサードでも巨大な作品を展示しています。そういったスケール感がこの映画でも見られます」と美術と映画に共通する作風を説明した。

さらに、「ウェイウェイはアーティストであり、アクティビスト。今、森美術館で行われている『カタストロフと美術のちから展』でも難民問題の早期解決を訴える作品を出している。彼にとってはやはり、作品の制作発表を通して、何か世の中に訴えかけて現実を変えたい、そういったモチベーションがあるはず。この映画にしても、展示にしても全く同じモチベーションでやっているのでは」と述べた。

ヒューマン・フロー 大地漂流」は、2019年1月12日からシアター・イメージフォーラムほか全国で公開。

(映画.com速報)

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