手塚治虫の問題作「ばるぼら」実写映画化 主演に稲垣吾郎、ヒロイン役に二階堂ふみ
2018年11月21日 21:00
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[映画.com ニュース] 生誕90年を迎えた漫画家・手塚治虫氏による問題作「ばるぼら」が実写映画化され、稲垣吾郎が主演、二階堂ふみがヒロイン役、手塚氏の長男である手塚眞が監督を務めることがわかった。11月20日、東京・帝国ホテルでの会見で発表。エロティックかつ奇怪な体験に翻ろうされる主人公役の稲垣は、「自分にとって新たな挑戦。今のタイミングでなければ演じられない役で、感慨深い。愛がむき出しになった僕を、皆さんに楽しんでもらえると思う」と期待を込めた。
漫画の神様・手塚氏が1973年に発表し、世界中にコアなファンを持つカルト的人気作。芸術とエロス、オカルティズムなどのタブーを中心に据え、「アトム」などでは見られない“黒手塚”全開の物語が繰り広げられる。耽美派の人気小説家・美倉洋介(稲垣)は、新宿駅の片隅で見つけたホームレス同然の少女・ばるぼら(二階堂)を、つい家に連れ帰ってしまう。大酒飲みでだらしないばるぼらだが、美倉は芸術家を守るミューズに似た奇妙な魅力を感じ、魔法にかかったような混乱の世界に落ちていく。
撮影はすでに終了しており、稲垣は手塚作品の世界で生きた日々に「子どものころから読んでいましたし、以前、舞台で『七色いんこ』をやらせてもらっていた。手塚作品で育ってきたようなものなので、光栄でした」と目を細める。魔性のヒロインに扮した二階堂は、幼少期から「火の鳥」「アトム」を読んでいたと前置きし、「『ばるぼら』を読むと、怖くなるような感覚があった。どちらが本当の手塚先生なのか。その謎を知りたいと思い、参加させていただきました。現場ではスタッフの方と、『ばるぼら』は『黒い部分の手塚先生だ』と話しながら、みんなで考え、答えを探している感覚でした」と振り返った。
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日独英の共同製作で、世界的カメラマンのクリストファー・ドイルが撮影監督として参加。現場は日本語、英語、中国語が飛び交い、手塚監督によると「日本なのに海外のよう」だったという。稲垣は「監督とクリスさんの世界観が美しい。耽美的、退廃的で好みに合っていた。夢のようで、現実だったのかなと思ってしまう。今まで経験したことのない時間で、ばるぼら役の二階堂さんが夢の世界にいざなってくれた。(観客には)壊れゆくときにしか出せない色気、尊さを感じてもらえる」と自信に満ちた声色で語り、二階堂も「初めてのことばかり。アートは言葉ではなく、感覚で共有されると改めて感じさせてもらった」としみじみ話した。
父の作品を初めて実写化する手塚監督は、「子どものころから『ばるぼら』を読む、いけない子どもだった」と笑いつつ、本作を基にした理由を「思い入れのある作品。私が監督として表現してきたことと、父の作品に接点を感じられ、『自分がやれる』と確信した」と明かす。時代設定は現代に変更しているが、「見ていただければ、なぜ今作ったのかがわかる」とし、「『ばるぼら』は父の作品のなかでも最も変わったテイスト。ただ、鬼っ子のようなもので、作者にとっては一番可愛い。勝手にそういう想像をしています」と思いを馳せた。
さらに「父の作品は家族みたいなもの」。メガホンをとるにあたり「自然にやれればと思っていて、『こうしよう』と深く考えたつもりはありません。稲垣さんと二階堂さんは手塚漫画がすごく似合う。それもあって自然にできた」と頼もしげな視線を投げかけ、「生の俳優さんが実際に演じられることで、作品にまた違った魅力が生まれる。ドイルさんのカメラもまた、漫画とは違う魅力を加えていく。私は、逆に手塚作品がどう変わっていくかに興味があった。結果は見てのお楽しみです。みなさんを夢の世界に連れていけると思う」と穏やかな笑顔を浮かべていた。
またYoutubeでは、予告編(https://youtu.be/HSyHA4qAkoE)もお披露目された。「ばるぼら」は、ほか渋川清彦、石橋静河、大谷亮介、渡辺えり、美波、片山萌美、ISSAYらが共演し、2019年内に公開予定。
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