宮野真守×小野賢章、「ファンタビ」「ハリポタ」の最大の共通点は?
2018年10月25日 06:00
[映画.com ニュース] 世界的ヒットファンタジー「ハリー・ポッター」魔法ワールド新シリーズ「ファンタスティック・ビースト」。その最新作となる「ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生」が、11月23日に日本上陸する。このほど、ハリー(ダニエル・ラドクリフ)の吹き替え声優を長らく務める小野賢章と、「ファンタスティック・ビースト」の主人公である魔法動物学者ニュート(エディ・レッドメイン)役の宮野真守による夢の対談が実現。シリーズにかける互いの思いや、最新作に対する期待まで、存分に語り合った。
今でこそ人気アニメ「黒子のバスケ」や「ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風」で主役を張り、名実共に人気声優の筆頭である小野だが、その“原点”といえるのが「ハリー・ポッター」シリーズ。12歳から約10年にわたってハリーの声を演じ続けてきた。一方の宮野は、「ハリー・ポッター」の第1作から3作に別役で参加しており、両者共にシリーズと声優人生を歩んできた。
宮野は「“魔法もの”にはいろんな作品がありましたが、『ハリー・ポッター』は新たな“王道”を築き上げた作品。魔法使いのあり方や、描き方の一つの答えを作った。そこにみんなが引き付けられて、こんな世界があったらいいな、自分も魔法を使えるんじゃないかと思うようになった」と「ハリー・ポッター」を総括し、続く「ファンタスティック・ビースト」について「視点を変えた」と表現する。「子どもの成長期が『ハリー・ポッター』だったとして、『ファンタスティック・ビースト』は学校という1つの“冒険”を終えた主人公が、自分のやりたいこと・考え・ポリシーを大切にするために色々なものに挑んでいく。だからこそ、ファンの方は今までと違う“大人の雰囲気”にドキッとするんだと思います。そしてドキドキワクワクしながら見ていくと、ニュート自身の冒険や成長があって、『ハリー・ポッター』との角度の違いが面白い」(宮野)。
対する小野は、「僕は『ハリー・ポッター』とずっと一緒に大人になってきて、それは子どものころに夢中になって見たファンの方も同じだと思う」と前置きした上で、「『ハリー・ポッター』と同世代だった人たちは、ハリーみたいに魔法使いになりたい、という子どものころの夢があったはず。そういった『ハリー・ポッター』で育ってきた、大人になった人たちが『ファンタスティック・ビースト』を見ると、『まだ続いているんだ、この夢は!』と思える」とほほ笑む。「僕が見て思ったのは、大人の魔法使いの世界が描かれていて、『大人になってもまだまだ夢は追いかけられるな』ということ。“大人になっても覚めない夢”という部分が、すごくワクワクさせてくれますよね」(小野)。
そんな2人に最新作への期待を聞くと、「若き日のダンブルドア(ジュード・ロウ)が出てきちゃうだけで、最強な感じがしません? すごくワクワクさせられちゃうんです。そういう風につなげてくるんだ!って思った」(宮野)、「ジョニー・デップが演じる悪役(グリンデルバルド)もすごく大きなポイントになってくるんじゃないかと思う」(小野)と目を輝かせる。
「僕はもう『ハリー・ポッター』で自分はやりきったと思っているから、いちファンとして楽しみでしょうがない」という小野は、「ハリー・ポッター」の魅力を「人とのつながり」と解説する。「ハリーはお父さんとお母さんの愛情を知らずに育ってきて、この物語は2人がどんな人生を歩んできたのか探す旅でもある。それが、ハリーを突き動かす原点になっている気はします」。そういった思いがあるだけに、「ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生」での“恩師”ダンブルドアの再登場には、特別な思いがあるようだ。「やっぱり、ダンブルドアはすごくでかい。ハリーとニュートをつなげてくれる存在でもありますし」としみじみと語った。
小野からバトンを受け取った宮野は、ニュートを演じるにあたって「大前提として、(小野)賢章くんが言ってくれた“人とのつながり”ですね。人とのつながりのなか、どういう環境で育ってきたかが気持ちを形成し、人格を作り、その人の言葉になっていくんだと思います。吹き替えでニュートを演じるときには、エディ(・レッドメイン)の意図をくみたい、とすごく感じていました」と演技の裏側について言及する。「人と相対するのはちょっと苦手な、学者気質の動物大好きな青年を見事に体と声で表現されていて、エディの役作りがすごすぎたんです。でもきっとそれだけではなく、奥底に構築したものがあってこその、表面の表現になっているはず。その意図を僕の声でも表現できるように、体の形や目の動き、声のボリュームは頑張りましたね。気持ちの面では、どれだけ(役と)寄り添えるかでした。普段ではやらないぐらいボソボソしゃべったりしました」と独自の役へのアプローチを明かした。
全力を傾けるからこそ、「吹き替えを選んで見てもらった方たちに、楽しい時間を過ごしてほしい。自分の最大限のパフォーマンスをしよう、自分にしかできないものを最後まで追及しようと思って収録には臨むので、ある意味では自信を持って『面白い』と言えるものを作っています」(宮野)、「日本語で聞くことによって、こういう世界が日本にもあるんじゃないかって錯覚してもらえるくらいのものにできたら、それは吹き替えの勝ちだと思っています」(小野)と熱い思いがあふれ出す。
宮野と小野は、劇場版も製作された人気アニメ「文豪ストレイドッグス」で共演しているが、「ファンタスティック・ビースト」の世界での共演を望むファンも多いはず。ハリーとニュート、2人が同じ画面に並び立つ“魔法の日”を、期待して待ちたい。
「ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生」は、11月23日から全国公開。
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
犯罪が起きない町で、殺人事件が起きた――
【衝撃のAIサスペンス】映画ファンに熱烈にオススメ…睡眠時間を削ってでも、観てほしい
提供:hulu
映画料金が500円になる“裏ワザ”
【知らないと損】「映画は富裕層の娯楽」と思う、あなただけに教えます…期間限定の最強キャンペーン中!
提供:KDDI
グラディエーターII 英雄を呼ぶ声
【史上最高と激賞】人生ベストを更新し得る異次元の一作 “究極・極限・極上”の映画体験
提供:東和ピクチャーズ
予想以上に面白い!スルー厳禁!
【“新傑作”爆誕!】観た人みんな楽しめる…映画ファンへの、ちょっと早いプレゼント的な超良作!
提供:ワーナー・ブラザース映画
関連コンテンツをチェック
シネマ映画.comで今すぐ見る
父親と2人で過ごした夏休みを、20年後、その時の父親と同じ年齢になった娘の視点からつづり、当時は知らなかった父親の新たな一面を見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。 11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラムとともにトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、2人は親密な時間を過ごす。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらてゆく。 テレビドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが愛情深くも繊細な父親カラムを演じ、第95回アカデミー主演男優賞にノミネート。ソフィ役はオーディションで選ばれた新人フランキー・コリオ。監督・脚本はこれが長編デビューとなる、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。
ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。
文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。
奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。
内容のあまりの過激さに世界各国で上映の際に多くのシーンがカット、ないしは上映そのものが禁止されるなど物議をかもしたセルビア製ゴアスリラー。元ポルノ男優のミロシュは、怪しげな大作ポルノ映画への出演を依頼され、高額なギャラにひかれて話を引き受ける。ある豪邸につれていかれ、そこに現れたビクミルと名乗る謎の男から「大金持ちのクライアントの嗜好を満たす芸術的なポルノ映画が撮りたい」と諭されたミロシュは、具体的な内容の説明も聞かぬうちに契約書にサインしてしまうが……。日本では2012年にノーカット版で劇場公開。2022年には4Kデジタルリマスター化&無修正の「4Kリマスター完全版」で公開。※本作品はHD画質での配信となります。予め、ご了承くださいませ。