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ブラジルの伝説のドラァグクイーンが来日 美の秘けつは「自分が自分であることに喜びを感じること」

2018年9月1日 22:30

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伝説のドラァグクイーンとして知られるディビーナ・バレリア
伝説のドラァグクイーンとして知られるディビーナ・バレリア

[映画.com ニュース]1960年代、軍事独裁政権下のブラジルで、性的マイノリティとしてドラァグクイーンカルチャー黎明期を支えた8人のパフォーマーを追ったドキュメンタリー「ディヴァイン・ディーバ」が公開中だ。圧倒的な歌唱力と美ぼうで伝説のドラァグクイーンと称される、ディビーナ・バレリアが来日し、作品を語った。

--華やかなショーのシーンだけではなく、下積み時代からの苦労や舞台裏までが映し出されています。
「私も完成した作品を観たときに、まさか舞台裏の姿まで使われるとは思っていませんでした。けれど、私たちの華やかな面だけでなく、そういった部分も含めて人間味のある私たちの姿が描かれていたからこそ、皆さんの心に届くものが合ったのではないでしょうか。この映画が作られることは非常に光栄でした。自分のキャリアや生き様が映像化されて、永遠に生き続けられるような気がしたのでとてもうれしかったです。それはひとつのギフトの用に感じましたし、私は一生をかけて芸術を磨いてきた自負があるので、それに対する評価だと思うのです」
--生まれ持った性別や年齢を超越し、社会の偏見など様々なものと闘って手に入れた美しさに圧倒されます。

「私の人生には、神から与えられた使命があると思っていて、私はそれをできる限りのやりかたでやり遂げようとしてきました。それと同時に、自分の感じるままに、幸せを求めながら生きてきました。その両方が私の人生です。そのミッションは、子どものころから意識していたのではなく、自分のやりたいことを素直に続けていると、人間というものが成熟してきて、後から気づくものなのです。私は、自分だけが特別だとは思っていません。全ての人間がそれぞれに何かの役割を持っていると思うのです」

1971年にフランスのカルーセル・ド・パリ公演の一員として、来日したときの看板
1971年にフランスのカルーセル・ド・パリ公演の一員として、来日したときの看板
--美しさを維持する秘けつを教えてください。

「美の最大の秘けつは、自分が自分であることに喜びを感じること。整形をしても、自分が自分であることに満足しなければ、美しくはなれないのです。私はいかなるときも望みどおりの自分になれているかを追求してきたので、満足していますし、そのことが私の外側にも現れているのです」

--アーティストにとって、ブラジルはどのような国ですか?

「60年代後半のブラジルは他の世界と違っていました。私は、自分の知識や経験値を広めたくて、ブラジルを出て、当時の文化の中心地だったパリへ向かったのです。ブラジルは85年まで軍事政権に支配されていましたが、今はそれほど世界との違いはないと思います。進歩したし、いろんなものが変わり、Xジェンダーがショーをすることや、私たちのような人間の社会の立ち位置も開かれました。今も汚職がひどく、政治は良いとは言えませんですが、アーティストにとってとてもいい環境だと思います。ブラジルにいる人々は、芸術、音楽を愛しているのです」


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