ギリシャの大火事でテオ・アンゲロプロス監督の別荘が全焼
2018年8月1日 13:00
[映画.com ニュース] 7月23日にギリシャの首都アテネ近郊の山林で発生した火災により、同国の巨匠、故テオ・アンゲロプロス監督の別荘が全焼し、資料が失われたと、allocineなど仏メディアが報じた。
火災の被害にあったのは、生前のアンゲロプロス監督が夏休みを家族と過ごした、アテネ近郊の避暑地マティの別荘。報道によると、フィービー夫人が「夫が遺した本や手紙、夫に捧げられた書籍、書き残した文章や詩」という、私的な資料が全て焼失したとギリシャのテレビ取材で涙ながらに報告し、「火災を知らせる警報が何もなかった」と訴えたという。なお、映画のアーカイブや資料については言及しなかったものの、アテネの事務所に保管されているそうで、焼失は免れたようだ。
アンゲロプロス監督はギリシャを代表する映画監督として知られ、ギリシャ現代史を描いた大作「アレクサンダー大王」(80)でベネチア映画祭金獅子賞、詩人と難民の子どもとの交流を描いた「永遠と一日」(98)でカンヌ映画祭パルムドールを受賞。2012年に交通事故で死去した。なお、山林火事は発生から1週間以上が経過し、現在までに90人を超える死者が出ている。