不安は自信に、迷いは強さに 山下智久ら“5人”が語る「コード・ブルー」の10年間
2018年7月28日 07:00
[映画.com ニュース] ドクターヘリが題材の人気ドラマシリーズを初めて映画化した「劇場版コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命」が、7月27日に全国公開を迎える。10年間にわたりシリーズに出演し続け、作品とともに成長してきた山下智久、新垣結衣、戸田恵梨香、比嘉愛未、浅利陽介が、インタビューに応じた。彼らの口から語られたのは、仲間と育んできた絆への、率直な思いだった。(取材・文/編集部、写真・間庭裕基)
シリーズ10周年の節目に封切られる劇場版。不安は自信に、迷いは意志の強さに変えていった“5人”が、今度はテレビではなく、劇場で命と向き合う。藍沢役の山下は「(2008年の)ドラマ第1期に参加したとき、僕は23歳。若気の至りですけど、尖っていたというか(笑)、自分がどう表現するかばかりを考えていました。藍沢もそうだったんです。自分の腕を磨きたい気持ちが全面に出てしまっていて、周りを見ていなかった」と、当時の“出会い”に思いを馳せる。
「(10年の)第2期も、大人になりきれていなかった。その時は僕も25歳で、がむしゃらに空回りしていて、藍沢と同じ感覚が強かったんです。役どころと自分の人生が、リンクしていたと思います。そこから(第3期まで)7年経ち、いろんな経験をして、僕自身が人間を好きになれた。人のことを知りたいと思えるようになった。藍沢のセリフで『今は“誰か”のために医者をやっているんだ』というものがあります。僕自身も、自分のためではなく、“その先の誰か”に影響を与えられたら、という思いで仕事をさせてもらっています。自分の経験を、いい意味で反映できたと思っています」
生真面目な性格ゆえに苦労が絶えなかった白石役の新垣は、「ドラマ第1期と比べると、ちょっとだけ声が低くなりました」と笑いながら、「シーズンを重ねるごとに、スタッフさんたちが、お芝居を任せてくれる機会が増えたんです」と明かす。情熱を全面に出す緋山役の戸田も、「私もトゲが強かったなと、第1期と第2期の私の顔を見て感じます。でも今は、そのトゲは強さに変化して、同時に、その強さが包容力に変わっていくのも感じています。いい意味で丸くなれたし、4人のことも、フェローのこともちゃんと見守られる。だからこそ(第2期から第3期までの)7年間の空白は大きかったと、改めて思います」としみじみと述べた。
万感の思いを言葉に込める山下たちに対し、比嘉&浅利は息の合った掛け合いで周囲を和ませていく。初期から共演する“5人”の良好な関係性において、比嘉と浅利が支えている部分は大きいだろう。現場でも妄想の対象となっていたという、ドラマ第3期で結ばれた冴島(比嘉)&藤川(浅利)の“結びつき”と“将来”について言及した。
比嘉「第3期が始まるまでの空白期間で、急展開したのは藤川と冴島の関係性ですよね。いきなり同棲していたので、そこはいろいろ想像しました。藤川は、どうやってアプローチしたのか。冴島はどう受け止めて、同棲したのか。スピンオフをやりたかったくらいです」
浅利「ほのぼのしていたと思うよ。『僕は死にましぇん!』みたいなことは言ってないと思う」
比嘉「将来の冴島には、子どもを産んでいてほしい。看護師として働きながら、子育てもしてそう。あと藤川は、主夫をやっているんじゃないですか?」
浅利「将来は頑張って、故郷・山梨で『藤川外科』を開業していたい! 手伝ってもらっている冴島に『そこはもう縫ったから』とツッコまれる藤川。想像がつきますねえ」
比嘉「え~? 主夫はどうするの! 意見の食い違いがあるので、もしかしたら離れているかもしれないです(笑)」
この10年間で、山下たち自身も、彼らを取り巻く状況自体も大きく様変わりした。これまでのキャリアに思いを馳せ、人生を振り返るたびに脳裏に浮かぶのは、いつだって「コード・ブルー」のことであり、同作で絆を育んできた仲間たちのことだった。山下は「僕が死ぬ時は、みんなのことを思い出すだろう。映画を見ながらそう思いました。人生で大きな作品です」と、飾ることのない率直な思いを告白する。
キャストという縦糸と、スタッフという横糸が10年かけて丁寧に織り上げてきたタペストリーは、ひとまずの完成を迎えた。劇中、藍沢はドクターヘリを目の前に、白石&緋山&冴島&藤川を背にしながら、「出会って10年。1日のほとんどを病院でおまえたちと過ごした」と、誰ともなく語りかける。山下ら“5人”の提案により台本に加えられ、増本淳プロデューサーが「最大の見せ場」と確信したシーンだ。シリーズとともに大切な時間を過ごしてきたファンは、どんなことを思うだろうか。「今作で10年間のアルバムを作ってもらった、という気がしています。皆さんにも、同じ思いで見てもらいたいです」と、新垣ははにかんだ笑顔を仲間に向けた。
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