インドの農村音楽ドキュメンタリー「あまねき旋律しらべ」10月公開
2018年7月1日 07:00
[映画.com ニュース] 山形国際ドキュメンタリー映画祭2017のアジア千波万波部門で、奨励賞と日本映画監督協会賞をダブル受賞した「あまねき旋律(しらべ)」が、ポレポレ東中野で10月に公開することが決定した。
映画は、インド東北部、ミャンマー国境付近に位置するナガランド州が舞台。村人たちは棚田の準備、苗木植え、穀物の収穫と運搬といった作業をグループごとに行い、働きながら歌を歌う。移ろいゆく季節の豊かさ、友愛の歌、生活のすべてを村人は歌で表現し、農作業をしている最中、一人が声を発すると、それに呼応して他の一人も歌いはじめる。女性も男性も一緒になって掛け合いながら歌われる「リ」と呼ばれるその歌が、山々の四方八方に広がっていくさまを映し出す。
インド南部出身で、共同監督を務めたアヌシュカ・ミーナークシとイーシュワル・シュリクマールが、この音楽に魅了され、棚田の雄大な風景や季節の移り変わり、人々の生活や農作業の一部始終を淡々とカメラに捉えていく。ピーター・バラカン氏は「田植えなどの肉体労働のリズムに合わせた集団の歌は、パッと聞いてアフリカのものかと思うような響きですが、これまでぼくは知らなかったナガランドはインド北東部、山間部の僻地。楽器も何も要らない皆の呼応する歌声が日常の潤滑油になっています。屈託ない人々の素朴な生活を追った素敵な映画です」とコメントを寄せている。
「あまねき旋律しらべ」は10月から、ポレポレ東中野ほか全国順次公開。