仏女優ジュリー・ガイエ、カンヌ受賞作「顔たち、ところどころ」プロデューサー経験を語る
2018年6月23日 19:15

[映画.com ニュース] 横浜市で開催中の「フランス映画祭2018」で6月22日、名匠アニエス・バルダと若手アーティストのJRが共同監督を務めた「顔たち、ところどころ」がイオンシネマみなとみらいで上映され、プロデューサーを務めた女優のジュリー・ガイエがティーチインを行った。
第70回カンヌ国際映画祭で最優秀ドキュメンタリー賞を受賞した本作は、女性監督の先駆者としてカンヌ国際映画祭やアカデミー賞の名誉賞も受賞している88歳のバルダと、参加型アートプロジェクト「Inside Out」で知られる34歳のアーティストのJRという親子ほども年の離れた2人がフランスの田舎をトラックで巡りながら、市井の人々と接し、作品をともに作り、残していくいく旅の様子を記録したロードムービースタイルのドキュメンタリー。
ガイエにとってのバルダ監督の存在について「映画界の母であり、おばあちゃん。私にとってもフランス映画界にとっても『5時から7時までのクレオ』はフェミニストとしてはじめての女性監督としての主張というものが強く出ている作品です。女性がテーマとなっているだけではなく、女性の目から見た世界を描いています。ずっとフェミニズムの主張を続けています」といい、「『顔たち、ところどころ』は家族や旅を題材にした、夢あふれる、ファンタジックな映画で、とても面白く、感動的な作品です。他にぜひ見ていただきたいのは『落穂拾い』です。これは政治的な意味合いがあり、ある場所を次の人たちに残すという意味合いのある作品、今作もまた、次の世代への伝達をテーマにしていて、アニエスはJRともそういう関係性を築いています」と紹介した。
今作の製作資金集めには、クラウドファンディングを利用した。「(映画製作では)シナリオを見た段階ではどんな作品になるかわからない不安要素がありますが、バルダのように素晴らしい映画を作る巨匠に資金が集まらないことには私も驚きました。」と明かし、その理由が女性監督であるからかとの問いには「女性映画監督にはやはりガラスの天井があると感じています。小さな予算は付きますが、大規模な予算の作品を作るのは難しいです。アメリカでは女性監督が全体の約10パーセントで、彼女たちは100~200万ドルのレベルの作品を作り、それよりも大規模な作品を手がけられるのはわずか3パーセントくらいだと思います。フランスの女性監督は約27パーセントですが、それでも男性より報酬は4割低いという状況です」と答えた。
プロデューサーとして、「映画が監督のものになるように」心がけたというガイエ。「私が関心を持っているのは、監督の目を通して、皆さんに違う世界の見せ方をしたい」と述べ、「(監督)と信頼関係を築くことによって、交流できるようになります。それは作家と編集者のような関係です。プロデューサーの仕事は資金集めだけではないのです」と説明した。
「顔たち、ところどころ」は、9月15日から全国で公開。
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