「最強のふたり」監督、最新作「セラヴィ!」をお披露目 日本の観客の反応に大喜び
2018年6月22日 16:00

[映画.com ニュース] 「最強のふたり」のエリック・トレダノ&オリビエ・ナカシュ監督の最新作「セラヴィ!」が6月21日、横浜のみなとみらいホールで開幕した「フランス映画祭2018」オープニング作品として上映され、大勢の観客の歓声を集めた。
「最強のふたり」で世界的大ヒットを飛ばした監督コンビの最新作となる本作は、パリ郊外の古城で開かれる結婚式を舞台に、人々の人生や思惑が交差していく様子を軽妙なタッチで描いたコメディードラマ。本作は2017年10月にフランスで公開されるや大ヒット、今年のセザール賞では作品賞をはじめ多くの部門でノミネートされた。そして映画上映後にはティーチインイベントを実施、万雷の拍手で迎えられた二人の監督は「温かく迎えてくれてありがとうございます」と感激した表情を見せた。
この日、両監督は上映の後半部分を観客と一緒に映画を観ていたようで、「皆さん、本当にいい反応をしてくれましたね」とトレダノ監督が切り出せば、ナカシュ監督も「本当に幸せですね。これはとてもフランス的な映画だと思っていたんですけど、いろんな国で公開してみて、いろんなところに行って、いろいろな国の人たちの笑い声を聞くことができた。結局、自分のことを語っていても、みんな分かってくれるんだなと思いました」としみじみ付け加えた。

この日の聞き手として、東京国際映画祭で作品選定ディレクターを務めた矢田部吉彦氏、そしてサッカー元日本代表フィリップ・トルシエ監督の通訳・アシスタントを務めたことで知られるジャーナリストのフローラン・ダバディ氏が参加。かつて映画雑誌「プレミア」の編集に関わるなど、映画にも造詣が深いダバディ氏は「わたしは20年くらい日本でフランス映画を見てきました。『最強のふたり』は確かTOHOシネマズ 日比谷シャンテで見ました。劇場には何人かフランス人観光客がいたんですが、日本の皆さんが彼らとまったく同じタイミングで笑っているのを見て、聞いて、感動したことがあります。そして今日も同じような感じだったので、お二人のユーモアは万国共通で、響き合う魂だと思いました」と指摘。それを聞いたトレダノ監督は「皆さんに共感していただけたようで、感動しています。わたしたちの麻薬は、お客さんの笑いなんですよ。本来は次の映画の準備をしなければいけないところなんですけど、どうしても日本の皆さんの笑いを見たくて来日したんですよ」と笑ってみせた。
2015年11月、パリで発生した同時多発テロに不安や悲しみを感じた両監督が、こんな時だからこそハッピーになれる映画を作りたいと考えたことが本作が生まれるきっかけになった。「結局、テロを起こした人はわれわれを意気消沈させたいんですよ」と切り出したナカシュ監督は、「われわれの文化、そして生活の場でもある、ダンスをしたり、歌ったりする場所を狙ってきたわけですから。しかしわたしたちは、絶対に落ち込まないで、顔を上げなくてはいけない。だってこれだけ涙を流してきたわけだから、今度は一緒に笑いたいじゃないですか。今の世の中が緊張状態にあると極左集団などが台頭して社会問題となってしまうが、みんなが集まって、手を取り合って、一緒にやればきっと乗り越えられる。ポジティブになれるんだ、ということを伝えたいんです」と観客にメッセージを送った。
(C)2017 QUAD+TEN / GAUMONT / TF1 FILMS PRODUCTION / PANACHE PRODUCTIONS / LA COMPAGNIE CINEMATOGRAPHIQUE
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