「ショート・ショート・フェスティバル」20周年、グランプリはシンガポールの実力派
2018年6月18日 10:45

[映画.com ニュース] 今年20周年を迎えたアカデミー賞公認のアジア最大級の国際短編映画祭「ショート・ショート・フィルム・フェスティバル&アジア2018」のアワードセレモニーが6月17日夜、東京・代々木神園町の明治神宮会館で行われ、木村佳乃、千葉真一、菊川怜、森崎ウィン、三池崇史監督、小池百合子東京都知事らが出席した。
コンペティション部門の3部門の優秀作品から選ばれるグランプリ「ジョージ・ルーカス アワード」は、アジア・インターナショナル部門優秀賞のイーウェイ・チャイ監督(シンガポール)による「カトンプールでの最後の日」に決まった。同賞はジョージ・ルーカスの冠がついた世界初の賞で、次年度のアカデミー賞短編部門にノミネートされる。
ホラーからコメディまで幅広いジャンルを演出する実力派のチャイ監督は、「思いもよらなかったので、圧倒されています。東京のみなさん、ありがとう。この喜びをみんなで分かち合いたい。夢が現実になった。何をいっていいのか、分からない。シンガポールに帰って、みんなに伝えたいです」と大興奮だった。
幼少期に通っていたカトン地区のプールが解体されることを聞きつけたベンジャミンが、過去に感じた魔法のような時間を取り戻そうと願いながらプールへ向かうというストーリー。「主人公の少年が素晴らしく、誰もが持っている子ども時代の淡い思い出をきれいな色彩と巧みな演出で表現。ユニークで共感できる作品」と高く評価された。
コンペ部門のインターナショナル部門優秀賞は、ヤギとともにイタリアにたどり着いたアフガニスタン難民の実話を基にした「不思議なヤギ」(イタリア)。ジャパン部門優秀賞は、1000年後の未来、子孫から悩みの指南を求められる先祖の姿を描くアニメ「THE ANCESTOR」(小原正至監督)に決まった。
審査員の三池監督は「今後の活躍の期待できる人という視点で議論しました。ほかの作品も素晴らしく、ショートフィルムの可能性を改めて感じました。個人的には、小原監督の勇気に敬意を表したい。これを言っちゃうのか、信念を持っているなと思いました」と絶賛していた。
Cinematic Tokyo部門は、1年後に東京に彗星が衝突すると発表され、弟がケンカ別れした兄に会いに行く「東京彗星」。洞内広樹監督は「最高ですね。『(受賞は)勇気をもらえる』と話した(カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞の)是枝(裕和)さんの気持ちが少し分かった気がします。日本は地震大国で、明日起こるかもしれない。大事な人をきょう大事にしているかという思いを込めました」と話した。
そのほかの受賞作は、以下の通り。
学生部門優秀賞「COCKROACH」(金賢奎監督)、ひかりTV Award「ノヴェラ ピカレスカ」(倉田健次監督)、VR SHORTS優秀賞「Kinoscope」(フランス)、LEXUS VR FILM AWARD「Sanctuaries of Silence」(アメリカ)、CGアニメーション部門優秀賞「コトリのさえずり」(ロシア)、ノンフィクション部門優秀賞「メリエム」(オランダ)。
3時間に及ぶセレモニーの最後には、来年度に「女性応援プロジェクト」を実施すると発表。そのサポーターを務めることになった木村佳乃は「女性のクルーは少ないです。国境を超えて、少しでも多くの女性と一緒に作品を作っていきたい」と話した。
映画祭実行委員長の別所哲也は「20周年の今年は、世界から1万本の作品が集まりました。これから、さらに発展させていくつもりです。ジョージ・ルーカスさんは学生時代にショートフィルムを作り、その冒険は続いていると言いました。まさに、冒険は続いているのです。期間中に受賞作を見てください」とアピールしていた。映画祭は24日まで開催される。
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