パトリック・シュワルツェネッガー、父アーノルドから学んだバイタリティを語る
2018年5月13日 13:00

[映画.com ニュース] 国境を超えてリメイクされるということは、それだけ物語が魅力的だということだ。映画「ミッドナイト・サン タイヨウのうた」は、2006年に歌手のYUIが主演した日本映画「タイヨウのうた」のリメイク。ヒロインが色素性乾皮症(XP)という難病を抱えていること、恋をして忘れられないひと夏を過ごすこと、ギターで弾き語ることなど、オリジナル版の設定を生かしながら新しいラブストーリーとして生まれ変わった。(取材・文/新谷里映)
主演はディズニー・チャンネルのヒットドラマシリーズ「シェキラ!」を経て、現在は若手女優として注目を浴びるベラ・ソーンと、アーノルド・シュワルツェネッガーを父に持つパトリック・シュワルツェネッガー。パトリックにとって「ミッドナイト・サン」は初のメジャー主演作。ヒロインのケイティ(ソーン)と恋に落ちるチャーリー役はオーディションで勝ち取った。
「何よりもストーリーにひかれたんだ。太陽にあたることのできないXPという病気を踏まえたとても美しいラブストーリーで、そのなかにはユニークさもあって、これまで出合ったことのない物語だった。けれど、誰もが経験する恋を描いているから、そこに自分自身を重ねることができる。みんなに響く要素が詰まっている。もちろん僕自身にも響いたよ。オーディションを2回ほど受けた後でベラとの読み合わせがあった。もともと彼女と知り合いだったこともあって、ベラと一緒だったからこそ演技も撮影も楽しむことができた。俳優としてもひとりの人間としても成長できたと思うよ」と嬉しそうに語る。
チャーリーは水泳の選手。ケガが原因で夢を諦めるが、ケイティと出会ったことで、もう一度夢と向きあう。パトリックはアスリート並みに体を鍛え、泳ぎを修得することも必要だった。
「僕が通っていた南カリフォルニア大学のスイミングチームに参加させてもらい、一通りの泳ぎを教えてもらった。そのおかげで、撮影でも吹き替えなしで泳ぐことができたよ。何カ月もトレーニングを積むことは、チャーリーの内面的な役づくりにも繋がった。最初、何でも持っている恵まれた青年に見えるかもしれないけれど、実際は、挫折をして心のなかは壊れている。肉体的なトレーニングをするなかでチャーリーの精神的な成長を知ることができた」。
また、「チャーリーはケイティと出会い恋をすることで、自分はまだ向上できる、上達できる、可能性があることに気が付くんだ」と言うように、太陽にあたることのできないケイティの人生を通して、彼女のラストシーンでの選択を通して、誰もが考えるだろう──自分らしく生きるとはどういうことなのか、本当の意味で生きるとはどういうことなのかを。パトリックは、「当たり前だと思っていたことが、当たり前ではないことに気付かされた」と説明する。
「僕の身近にXPの人はいなかったけれど、この映画で病気のことも、その人たちがどう生きているのかも知ることができた。そして今まで当然だと思っていたことが当然ではなくなった。たとえば、太陽の光を浴びることやアウトドアを楽しむこと、そうやって生きていることに感謝をするようになったし、健康であることがとてもありがたいことに思えたんだ」
そういった感情をより深く伝えているのが、ケイティの奏でる音楽だ。歌手としての活動はあるもののアコースティックギターでの弾き語りは、ソーンにとって挑戦だった。メインテーマ「Burn So Bright」をはじめ4曲すべてを弾き語りしている。パトリックもその歌声に惚れた。
「ベラは本当に歌がうまいんだ。ディズニー・チャンネルでの歌のキャリアはあるけれど、実は彼女は歌ったり踊ったりすることからしばらく離れていた。でも、この映画をきっかけにまた歌うようになってギターも修得した。本当にすごいよ! 残念ながら僕自身はベラのような音楽的才能はないから、本当に尊敬する」というのは謙遜で、「歌は無理だけど、ドラムとかサックスとか楽器を演奏する役が来たら、もちろん頑張るよ(笑)」と意欲をのぞかせる。
そんなパトリックがいま興味を持っているのは、「スポーツ、ビジネス、ハイキング、サイクリング……」と多岐にわたり、フランチャイズのピザショップやカジュアルウェアブランドなど経営者としてビジネスにも力を入れている。この先、どんな未来地図を思い描いているのだろうか。
「これは父から学んだことだけれど、興味があればどんなこともなしとげることができると思っているんだ。もちろん俳優として上を目指したい気持ちもある。ビジネスも続けたいし、挑戦したい。今は特にファッションに興味があるんだ。コム・デ・ギャルソンやKENZO(ケンゾー)といった日本のブランドも大好きだから、ファッション関係の仕事で日本に来られたらいいなと思っているよ。親戚のキャロライン・ケネディが駐日米国大使だったときには、彼女を訪ねて来日したこともあるんだ」
次はどんな肩書きで来日するのか、パトリックのこれからが楽しみで仕方ないが、まずは彼の代表作となる映画「ミッドナイト・サン タイヨウのうた」で俳優としての魅力を目撃してほしい。
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