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「自分のフィルモグラフィーで最も重要な作品」 イエジー・スコリモフスキ「早春」リバイバル公開

2018年1月12日 18:00

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イエジー・スコリモフスキ監督
イエジー・スコリモフスキ監督

[映画.com ニュース]ポーランド出身の鬼才、イエジー・スコリモフスキ監督の青春映画で、カルト的人気を誇る「早春」のデジタルリマスター版が1月13日に劇場公開する。スコリモフスキが1970年にイギリスと当時の西ドイツで撮影した作品で、15歳の少年の不器用な初恋を美しい映像でつづるドラマだ。来日したスコリモフスキ監督が作品を語った。

ロンドンの公衆浴場に就職した15歳のマイクは、そこで働く年上の女性スーザンに恋心を抱く。だが婚約者がいながら別の年上男性とも付き合う彼女の奔放な性生活を知るうち、マイクの彼女への執着は徐々にエスカレートしていく。当時、ポール・マッカートニーの婚約者としても知られていた女優ジェーン・アッシャーが主演、ジョン・モルダー=ブラウンが、初めての恋と性的欲望のはざまで逡巡するマイクを、リアルかつユーモラスに演じる。

--キャスティングについて教えてください。

「ジェーン・アッシャーはスムーズに決まりました。当時彼女はポール・マッカートニーのフィアンセでしたし、主に舞台に出演している大変ポピュラーな女優でした。ただ、マイク役はオーディションが大変で、100人くらいに会いました。そして、ジョン・モルダー=ブラウンが扉を開けて入ってきて、一目見た瞬間に、この若者がマイクを演じるべきだと直感したのです」

--ヌードや性的にきわどいシーンもありますが。ジェーン・アッシャーからの抵抗はありませんでしたか?

「彼女は非常に意識の高い知的な女性でしたから、全く問題はありませんでした」

--イギリスと西ドイツの2カ国で撮影されています。当時の様子を教えてください。

「その頃の私は東の鉄のカーテンの側にいて、ようやく西側に出たばかり。両方の国の区別はないも同然でした。アメリカの映画会社で、ロンドンに支社を持っていた会社と西ドイツのスタジオとの共同製作で、その条件が両国で撮ることでした。予算は50パーセントずつだったと思います。イギリス人の俳優がたくさん出ていますが、同時にイギリス人の振りをしているドイツ人俳優も参加しています。みな良い俳優たちで、私の演出も良かったので、全く区別がつかないでしょう(笑)。また、ドイツの素晴らしい美術監督と仕事をすることができました。舞台となる公衆浴場はドイツ的な内装の白い壁だったのですが、赤と緑に塗り替えてイギリス風に作り変えてくれました」

画像2(C)1971 Maran Films & Kettledrum Productions Inc. All Rights Reserved.
--主人公は、年上の女性に憧れる少年です。監督にもこのような経験がありましたか?

「初恋ではありませんが、私は20代前半で当時ポーランドで一番有名な女優と婚約しました。ポーランド中の男性が夢見るような女性でしたが、私はまだ映画大学の1年生。それぞれの仕事の量や、財政状況も大きな格差がありましたから、彼女が私の上に立とうとしたのです。そういった状況が、私に彼女と競ってみようという気にさせたのです。その後、どこかの瞬間で彼女と対等になったし、世界的な名声という点でも彼女を超えたと思っています。そのような経験も映画に反映しています」

--デジタルリマスター版で、色彩や陰影といった映像美が見事によみがりました。監督にとって「早春」はどのような作品ですか?

「この映画は古びていないと感じています。今作るとしても、全く同じように作ると思います。つまり、私はこの映画に満足しているのです。私は過去の何本かの作品については、非常に批判的なことを言いますが、そういう人間がこの作品について、このような最上級の言葉で語るということは、この映画を自分のフィルモグラフィーで最も重要な作品だと思っていることの証です」

早春」デジタルリマスター版は、1月13日からYEBISU GARDEN CINEMAほかで公開。

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