がん闘病中の大林宣彦監督、新作公開にさらなる意欲「あと30年は作る」
2017年12月16日 15:30
[映画.com ニュース] 大林宣彦監督の最新作「花筺 HANAGATAMI」が12月16日、東京・有楽町スバル座で封切られた。大林監督は、窪塚俊介、満島真之介、矢作穂香、常盤貴子ら出演者とともに舞台挨拶。「見てくださったことでひとつの形、メッセージとして伝わったと思う」と満場のスタートに穏やかな笑みを浮かべた。
肺がんのステージ4で余命3カ月と宣告された後の昨年夏に撮影した青春群像劇で、大林監督は「余命3カ月と言われ、1年4カ月も生き延びています。あと30年は生き延びて、映画を作ろうと思っている」とさらなる意欲。既に新作の準備に入っているそうで、高畑勲監督夫人から贈られた花束を掲げ、「最近、高畑監督と山田洋次監督と老人3人が仲良くしている。戦争を知っている世代が後世に伝えるために頑張っています」と話した。
同作にも反戦へのメッセージを込め、「あの戦争(第2次世界大戦)で生き延びちゃったんだから、がんごときで死なねえぞという気持ち。でも、がんのおかけで緊迫感のある映画になった」と思わぬ効果を強調。さらに、「がんは宿子で、私が宿主と考えるようになった。がんも一生懸命生きようとして私の体をむしばんでいるが、私が死ぬとがんも死んでしまう。だから、もっと利口になって仲良く生きようじゃないかと話している」と闘病に懸ける思いを明かした。
窪塚は、「大林監督と出会って、自分らしく自由に個性を持って生きることの大切さを再認識した」と感謝。満島も、「台本に神話に出てくるような美少年と書いてあったので、正直どうしようかと思った。でも、監督の『映画の世界にいる幸せを存分に感じなさい』という言葉で、のしかかっていたものが風とともに去っていった。一生隣で肩を組んでいたい、同志になりました」と称えた。
矢作は同作までは「未来穂香」の芸名で活動していたが、大林監督との初対面時に「いい女優に育ったら、世界中があなたの名字を読んでくれる」というアドバイスで本名に変えて臨んだ。その“デビュー作”の公開に「女優としても人間としても、生まれ変わったような気持ち。すごく光栄です」と瞳を輝かせた。
大林監督は、出演者のあいさつの度に感謝の言葉を送り「皆が僕の分身だから」と穏やかな笑み。そして「未来のある若い人たちが平和に暮らせる、戦争のない世界になることを祈っています」と語り、満場の会場から盛大な拍手を浴びていた。
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